【コラム9:因果を捉える】

 先日、とある実践会で「因果」について学習する機会があったので、今日は「因果とは」「臨床においての因果」について(ちょっと長くなりますが)。

因果関係を分析・解明することは、課題解決等にとってとても有用であることは言うまでもないかと思います。「因果」とは、原因と結果の関係のことです。こう書くと簡単ですが、因果関係はそんな単純に解明できるものではありません。因果を考えるには、「連鎖」、「複雑」、「時間」といったことを捉えないといけないそうです。

「連鎖」とは、何かが上手くいくと何かが上手くいかなくなることがある(元凶を駆除しても、その弊害が起こることもある)ということです。少し臨床に置き換えて考えてみると、あるインシデントが発生して、その対策としてチェックリストなんかを作る。そうすると、今度はチェックリストを使わない人がいて、それをいかに使わせるかといった問題が出てくる。そして、チェックリストが増えていくとチェックという業務に追われ、患者ケアに当てられる時間が少なくなったり、チェックリストが形骸化したりする、なんてことでしょうか。それ以外にも、記録のテンプレート化、事前指示の多用化、なんでもかんでも手順・マニュアルといったことが進められることによって、考えることができない看護師が増加しているというのも「連鎖」なのかもしれません。

「複雑」とは、世の中の事象は、ある原因が1つあって、そこから結果が生まれるといった単純なものではないということです。いろいろな原因によって起こっていることがほとんどですし、原因にもその原因が発生した原因があります。そして、それぞれの原因の結果に対する影響力や相当性(確実性の度合)も違うということです。原因を1つのみだと決めつけるにはリスクがあるということですね。例えば、「誤薬」といったインシデントで、確認不足といった単純な原因ではなく、確認という行為を妨げた原因が複雑に絡んでいるのかもしれません。「新人看護師が勉強不足でダメ」なんて言葉もよく聞きます。これも新人看護師側の問題だけではなく、指導担当者の関わり方や組織風土など複雑に絡む原因によってそのような結果が生まれてしまっているのかもしれません。因果をしっかり解明し対策を打つことが重要ですが、これが難しいですね。一見すると結果の原因ではないことに対する対策が、課題の改善につながる(ブロークンウインドウ(割れ窓)理論)なんてこともありますし

「時間」とは、原因から結果が生まれるまでには時間軸があるということです。当然のことながら原因がまずあって,それが結果を引き起こします。さらに、原因と見なされている現象も、結果と見なされている現象も、ともに変化しているということです。

臨床でこれをすれば良い!といった明快な答えはありませんが、まとめると

  • 因果を無視して、目先の手を打つことにはリスクがある
  • 事象はどんな要素間で成り立っているのか?どう捉えるのか?を考える

ということが重要だということですね。

因果要因

 

 

 

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