【コラム11:教え上手になるためには】

今回は、注目が高いであろう「教え方」に関すること。

怒鳴り散らすと言った看護師は、さすがにいないと思いますが、「常に上から目線での指導」、「威圧的・高圧的な態度で接している」、「聞いてくる・見習うのが当たり前。聞いてこないなら放置」、「できないのは新人の出来が悪いから。できないのは新人の責任」、「常にダメだし」といった看護師は未だにいるのではないでしょうか?このような関わり方が絶対にダメだとは言い切れません。しかし多くの場合、学習者目線で捉えられていないことが多く、学習効果は低い。また最悪の場合、このような人たちがいるから「辞める」といったことに発展します。そして、このような人の特徴は、学習者に対して「ちゃんと勉強してきなさい」「しっかり振り返りなさい」と口にすることではないでしょうか。でも残念なことに、自分自身は「教え方」を学ぼうとしたり、自分自身の「教え方」を振り返ったりしません。そこが問題です。教え上手になるためには、学習者中心で考えるとともに、教育について学び、自身の「教え方」を内省しなければなりません。組織としては「教え方」を学び合う場を創造したり、自身の「教え方」に対する内省を促す働きかけをしなければなりません。

一方で、経験的に未熟な看護師に対して、もっと上手に、失敗せずにできる方法をあれこれ手出しや口出しをし、一方的に教えている看護師はいないでしょうか?一見して、熱心で良い「教え方」のようですが、実は「教える」ということにも弊害はあります。「教える」という行為は、学習者の「考える」「思考」といったことを奪ってしまうことにもなります。さらには、「学び方の学習」という機会を奪うことにもなります。「個人が自分自身の持っている力に気づき、その力で自らの課題を解決していける状態になること」をエンパワメントと言いますが、「教える」「教え過ぎる」ことがディスエンパワメント(力を奪うこと)になることもあるということを知っておかなければなりません。

看護師は実践経験を通し、様々な知識やスキルを身に付けます。特に失敗から多くを学び、より良い方法を自らが発見し獲得していきます。「できないからさせない」「知らないからさせない」ではなく、「できない」「知らない」からこそ経験させることで成長するのです。もちろん医療安全上、失敗させられない・失敗が許されないのが医療現場です。そのような医療現場での教え上手とは...例えば、実践させる前に、実践に向けどのような内容を学習させるかを考えたり、実践直前にはメンタルシミュレーションさせたり、想定を与えどうケアするかを考えさせる。実践の最中ではどこまで経験させ、どこでフォローの手を差し伸べるかを判断し失敗するギリギリ前でフォローする、実践の中で気づいて欲しいことの意識付けを行う(Sense making)。そして、実践に対する内省を支援(ファシリテーション)する....もちろんこれが正解かはわかりませんし、学習者によっても異なります。

「教え方」に絶対こうすれば良いというのはありません。ただ言えるのは、学習者を中心に捉えること、自身自身の「教え方」を熟考、内省し改善し続けることが、教え上手になるためには重要だということです。

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