<文献紹介第20弾>
「口腔ケアのブラッシングはVAPを予防できないって本当?」
「Toothbrushing for critically ill mechanically ventilated patients: a systematic review and meta-analysis of randomized trials evaluating ventilator-associated pneumonia.」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23263588

口腔ケアは今やICU看護師の重要なケアの一つとされています。
ですが、口腔ケアって本当にVAPを予防できるのかと疑問視されることがあります。その疑問に応えるために行った研究があります。それが今回紹介する文献です。

Alhazzaniらは口腔ケアをすることでVAPが予防できたのか6つのRCTなどからメア解析を行いました。(つまり、エビデンスの高い文献を統合させて本当にVAPに口腔ケアは予防に効果的か調べました。)
その結果、VAPリスクに有意差を見出せなかった。さらに、この文献では電動ブラシなどを用いていましたが、この有効性も見出せませんでした。この結果を踏まえて「口腔ケアはVAP予防には有効ではない」といわれるようになりました。

ただ、この文献はこれで終わりではありません!!
よくよくこのメタ解析を見ると、引用されている文献の1つだけVAP予防に有意に有効だったとする文献がありました。それがYaoらが行った研究です。
では、Yaoらの口腔ケアと他の人の口腔ケアとでは何が違うのでしょうか。
それは、ブラッシング後にプラークなどを回収していることです。私たちは健常者は普段、歯磨きをした後にうがいをします。これは歯磨きで取り除いたプラークを外に吐き出すために行います。
実はYao以外の研究者は、このうがい(吸引、洗浄などによるプラーク除去)を行っていませんでした。つまり、メタ解析では違う口腔ケアの方法を比較していたのです。違うものを比較しているので、「口腔ケアはVAP予防には有効ではない」とは言い切れないのです。
従って、現段階では「口腔ケアはVAP予防に有効かどうかはわかっていない」ということです。ただ、VAPは口腔内を介して細菌が侵入するだけでなく、胃や食道から逆行性に誤嚥するなど様々な原因によって発生します。
じゃあ、口腔ケアはそんなに重要じゃないのかと言われそうですが、私はそうではないと思っています。なぜなら、口腔ケアはVAP予防のために行うのではなく、患者が抜管後に口から水や食事を摂取するときの味覚や口渇感などにQOLに影響を与えるから口腔ケアを行う意義は高いと考えます。挿管や鎮静などにより、セルフケアが低下した患者のかわりに口腔ケアを行い、口腔内状況を維持、改善させることが看護師にとって重要なケアの一つだと考えます。
抜管後、患者は水を飲みたがります。その時に「水ってこんなにうまいんだ」と言ってもらえるように関わることが私は大切だと考えています。

画像引用元
http://www.brooksidepress.org/Products/Nursing_Care_of_the_Surgical_Patient/lesson_3_Section_1.htm
http://www.mayohealthcare.com.au/products/Resp_intvHygiene_oral1.htm
http://www.rtmagazine.com/2014/04/intubation-vap-complex-condition-bundled-solutions/Suctioning images-2 international_oralcare

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