<文献紹介第26弾>

「救命できれば、ICUを退室できれば、それでOK?」

 

PICSに関するアンケートへのご協力ありがとうございました。

PICSは学会などでも注目されており、ご存知の方も多かったですね。

ただ、知らない方もおられましたので、解説を踏まえていきたいと思います。

PICS(Post Intensive Care Syndrome)とは何か。詳しく書くと頭がこんがらがって分からなくなるので、簡単にワンワードでまとめると、「ICUにいる間に疾患や治療で筋力の低下や精神障害などを患ってしまうこと」です。症状としては、筋力低下、認知機能低下、睡眠障害、PTSD、うつ症状、気分障害などがあります。

では、なぜICUなのかというと、PICSは重症疾患による侵襲と治療により引き起こすとされていて、ICUはその因子が多いからです。

じゃあなんでICU退室後なのかという疑問も出てきます。それは、ICU滞在中では気づきにくいことが多いからです、

ICUにいるうちに侵襲(疾患など)や治療により筋力低下が低下することをICU-AWと言いますが、ICU-AWであればICU滞在中に気づくことができますが、認知機能障害やPTSD、睡眠障害、うつ症状、気分障害といったPICS特有の症状はICU退室後に気付くことが多いからです。

じゃあ、PICSっていつまで続くの?という疑問も出てきます。それは、意外と長いスパンで続きます。それも1年以上続きます。

ICU-AWであれば、ICU退室後1年後に調査した結果でも介護が必要な患者が多く、お風呂に入れない患者が多いとされています。さらに、認知機能障害では、軽度のアルツハイマーと同等の認知機能障害を認め、買い物でお金を計算することや車を運転することができないなど日常生活に支障をきたすことが多いとされています。精神障害についても、半分近くの患者にうつ症状や不安、PTSDを合併するケースも多く、夜も眠れず、社会復帰できないケースも多いとされています。

 

ICU入室中に二次的合併症を起こせば侵襲は増え、治療介入も増えるでしょう。そうなればPICSを引き起こしやすくなります。二次的合併症を防ぎ、ICU入室期間中も患者のQOLを高く保つことでPICSを防ぐ、もしくは軽減することは可能かもしれません。私はICUは患者の長期的スパンを見据えた看護ができる場所だと思っています。看護ケア一つ一つが患者の長期的アウトカムに関わっています。自施設で退院時のADLを調べることやICU退室後の患者のところに足を運ぶことは自分たちのケアの評価ができるかもしれません。

私はICU退室後の患者さんのところに足を運ぶことが好きで、ICU入室中の話や退院後の話など色々話す場面があります。ICUでは見せない患者さんの表情や発言から気づかされることも多いです。よかったら一度皆さんも足を運んでください。患者さんは「来てくれてありがとう!」と笑顔で向かい入れてくれるかもしれませんよ。

 

画像引用元:一枚目オリジナル、二枚目:https://www.ttsh.com.sg/about-us/newsroom/news/article.aspx?id=3850、三枚目オリジナルimage 050912-ST-Scheme-gets-ICU-patients-on-their-feet

PICSについてのアンケート結果

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