【コラム21:Transition(トランジション) その1】

Transitionの意味は「変遷・変化」ですが、職業におけるTransitionは、「移行」「節目」の意味で使われます。看護界に身を置く中で、このTransitionを体験しない人はいないと思います。この時期くらいからTransitionの問題となるのが、まず看護学生からナースとなった新人スタッフが陥る「リアリティショック」ですね。そして、看護師長や主任/副看護師長といった中間管理職へ昇任された看護師の方も、いろいろとストレスが溜まっている時期ではないかと思います。それ以外にも今後の自身のキャリアに関することなどがあると思いますが、今回はTransitionその1として、「リアリティショック」を取り上げます。

「リアリティショック」は、組織参入時において遭遇する現象で、多くの方が一度は聞いたことがあるのではないかと思います。「リアリティショック」は別に看護師だけが陥ることではありません。むしろ、新人ホワイトカラーとなった人たちは,事前に職業訓練や実習を行っているわけではなく職業的事前準備が不足している状態で組織参入するので看護師より陥りやすいような気もします。

新人看護師はどのような「リアリティショック」を感じているのでしょうか?勝原先生ら※はリアリティショックを7つに分類しています。

  1. 医療専門職のイメージと実際の言動とのギャップ
  2. 看護・医療への期待と現実の看護・医療とのギャップ
  3. 組織に所属することへの漠然とした考えと現 実の所属感とのギャップ
  4. 大学教育での学びと臨床実践で求められている実践方法とのギャップ
  5. 予想される臨床指導と現実の指導とのギャップ
  6. 覚悟している仕事とそれ以上にきびしい仕事とのギャップ
  7. 自己イメージと現実の自分とのギャップ

筆者も普段は臨床で働いているので、この分類を見て「うんうん」と新人看護師の反応が浮かぶのですが、皆さんはどうでしょうか。

では、「リアリティショック」にどう対応していけば良いのでしょうか。そもそもショックを受けないように新人看護師を送り出す教育機関側が、「リアリティ」を学生時代からしっかりと伝えることが対応の1つだと思います。迎え入れる施設側としては、何ができるのでしょうか。既にプリセプターシップ導入や、新人教育に力を入れてショック緩和に努めている施設がほとんどだと思います。残念ながらこれが正解といったものはありません。新人看護師個々に合わせた「業務支援」、「精神的支援」、「内省支援」をしっかりと行っていくしかないと思います。

 

 

※勝原裕美子,ウィリアムソン彰子,尾形真実哉. 新人看護師のリアリティショックの実態と類型化の試み-看護学生から看護師への移行プロセスに終える二時点調査から-,日本看護管理学会誌 ,9(1), 33-37, 2005

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