<文献紹介第27弾>
「陰部洗浄・消毒は尿路感染を防ぐことができない!?」
まず始めに、「尿道口周囲を定期的に消毒または洗浄しても,細菌尿の発生頻度は減少しない(AI)」ということが「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」の中に記載されているということはご存知だろうか?
しかも、推奨度が(AⅠ)である。「AⅠ」ってなに?と思われたかもしれませんが、簡単に言うと最も推奨度・エビデンスが高いことを示されています。
なぜこれほど高い推奨度・エビデンスなのでしょうか?
それは、質の高い研究をしたからです。
ですが、この基となった研究は、面白いことに1970年代のものなのです。
「Prevention of catheter-associated urinary tract infections. Efficacy of daily meatal care regimens.」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/….
どういう研究かというと、
①石鹸洗浄 vs 水のみの洗浄
②ポピドンヨードによる尿道口周囲の消毒 vs 水のみの洗浄
これをRCTという質の高い研究デザインで3500人くらい(大人数)を対象に行いました。
その結果、50歳以上の抗生剤が投与されていない患者では、水飲みの洗浄の方が細菌尿検出が少ない傾向にあった。
つまり、水のみで洗浄しても細菌尿はあまり変わらないということです。
じゃあ、陰部洗浄の意味ってないの!?と思われる方もいるかもしれません。
もちろん、そのような考え方もあります。(むしろ、陰部洗浄をするから尿路感染を防ぐことができているというエビデンスもありません)。
ですが、その結論にはまだ至っていません。なぜなら、①水のみの陰部洗浄 vs 陰部洗浄なしの質の高い研究が行われていない。②尿路カテーテルの事情が1970年代と今では違う(シルバーコーティング、抗菌薬コーティング、閉鎖式の登場など)③細菌増えるのと、尿路感染と診断されることはイコールではないことです。
要は、消毒や石鹸を使う必要はないかもしれないけど、陰部洗浄が不要かどうかはまだわかっていないのです。
なので、今のところは陰部洗浄をすることは悪いことではないと思います。ただ、尿路カテーテルの事情が違うので、毎日必要なのか?患者の羞恥心を押し殺してまでしなければならない(must!!)というものではないのかもしれません。
個人的には、尿路感染に効果があるかわからない陰部洗浄(患者の羞恥心を押し殺すような)をするよりは、家族が握る手を清潔に保てるように手浴や、髪を整えるなど整容を時間をかけたいものです(毎日のように)。
画像引用元:
一枚目 http://www.icetinc.com/infection-control.html
二枚目オリジナル

 

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