<文献紹介第51弾>
「食道がん術後は術後1日目からの経口摂取できる!?」
Early oral feeding following thoracolaparoscopic oesophagectomy for oesophageal cancer. Eur J Cardiothorac Surg 2015;47(2):227-233.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24743002

食道癌術後では栄養管理が重要となり、経腸栄養はその要とされている。その経腸栄養には3つの経路がある。経鼻空腸チューブ、空腸瘻、経口であり、食道癌術後は吻合部が安定化する術後7日目から経口摂取が開始されることが多く、それまでは経鼻空腸チューブや空腸瘻を使用して栄養管理することが一般的である。食道癌術後は早期経口摂取することは「nil-by-mouth(何も口にすることはできない)」と思われていることが多いだろう。だが、海外では早期経口摂取が注目されている。それは、大腸癌術後や胃切除術後は早期から経口摂取が可能であることがわかってきており、食道癌術後も早期経口摂取が可能ではないかと考えたからだ。Sunらは食道癌術後患者68名を対象に早期経口摂取群と通常群を無作為に分けて比較調査を行った。早期経口摂取群は術後1日目から流動食を開始し、段階的に摂取量を増加させていった。これに対して通常群は経口摂取開始時期を術後7日目とし、それまでは経鼻空腸チューブもしくは空腸瘻から経腸栄養を行っていた。その結果、懸念していた縫合不全や肺炎の発生率に有意差を認めなかった。むしろ、早期経口摂取群の方が在院日数は有意に短く、術後合併症の発生率は低い傾向にあった。つまり、早期経口摂取は安全であり、効果的であることが示唆される。術後早期から経口摂取が可能となれば患者の満足度は高まり、QOLも高い。ただし、これは海外の文献であり、頸部郭清が行われていないケースが多いことや、早期経口摂取に関するエビデンスが不足していることから、本邦でも容易に早期経口摂取を取り入れることは難しいだろう。まだ答えの出ていない分野であり、これに関しては今後の動向に注目したい。

引用画像:
1枚目:https://adjournalblog.wordpress.com/2013/01/02/easy-ways-to-break-10-common-bad-habits/07-woman-eating-mouth-open-lgn-4102576/
2枚目:http://www.randeepwadhawan.com/oesophagectomy-cancer-of-the-oesophagus/

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