敗血症ガイドライン変更のその後
〜qSOFAは新定義の対象をスクリーニングできているのだろうか?〜

世界的な敗血症の定義が変更されて「感染症+SIRS=Sepsis」という定義から「感染症に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害」となりました。そして、新しいスクリーニングのツールとして一般病棟でqSOFAの使用が推奨されました。
qSOFAは、検査などの項目がなくフィジカルアセスメントを用いてより素早く簡易にスクリーニングでき(画像1)、敗血症が重症化する前に早期認識できるためのものです。
しかし、本当にqSOFAは優れているのでしょうか?
そこで、今回紹介する論文は、救急患者を対象としsepsis-ⅢのqSOFA、SOFAと以前のsepsis-Ⅰ,ⅡのSIRS.severSepsis(SIRS+乳酸値18mg/dl)のスクリーニングツールを使用して、陽性尤度比を比較した前向き研究の論文です。(ここでの陽性尤度比とは:敗血症で死亡する人をどれだけ入院時に正しく真陽性と判断し、かつ偽陽性が少なかったか)

http://goo.gl/YbQ3bD

PMID:28114554
結果は
1位、qSOFA.
2位、SOFA.
3位、SIRSとsever Sepsisが同位
との結果でした。
結果を詳しくみるとqSOFAを使用すると、重症化し死亡に至るような敗血症患者をSIRSでスクリーニングするよりも誤ってスクリーニングすることが少なくなり、sever Sepsis(SIRS+乳酸値18mg/dl)でスクリーニングするよりもより正確にスクリーニングできていたという結果が示されています。
以前のSIRSでスクリーニングを行うと重症化し死亡に至るような敗血症患者だけでなく、軽症、または敗血症で無い患者も合わせてスクリーニングしてしまう問題点がありました。これはsepsis-Ⅲの敗血症の定義のスクリーニングとしては妥当では無いと言われており、その点qSOFAは、重症化し死亡に至るような敗血症患者を正確にスクリーニングし、かつ軽症、または敗血症患者で無い対象を誤ってスクリーニングしにくいです。
今回の結果からも、qSOFAは実際に、sepsis-Ⅲの敗血症の定義に対するスクリニーニングツールとしての正確性が確保されていそうです。そして何より、新定義の対象を、qSOFAは早期認識ができるという点が優れていると言える部分ではないでしょうか。

 

画像1

画像2

 

画像3

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