<文献紹介 第55弾:せん妄の基本;せん妄対策の予防と治療は異なる>

今回は、せん妄対策の落とし穴(誤解されやすい部分)に触れてみましょう。

それは、せん妄対策には「予防」と「治療」があることです。

せん妄対策はこの2つを別々に考える必要がああります。

「予防」とは、“せん妄発生の因子を減らすこと”であり、「治療」とは “せん妄 日数を減少させること”です。

つまり、この2つへの関わりは異なります。

まず、「予防」について触れます。

せん妄発生因子には、重度な侵襲、多臓器不全、人工呼吸器、ベンゾジアゼピン系鎮静剤投与などが挙げられ、これらをできるだけ減らしていくような関わりが必要とされています。

ですが、侵襲に関しては、手術や感染症といったものがあり、ICUに入室した時には防げない因子もあり、仕方ない側面もあります。

そういった場合は、他の因子であるベンゾジアゼピン系鎮静剤を使用しないことや鎮痛管理をしっかり行うこと、二次合併症を起こさないこと、がICUでできる関わりではないかと思います。

次に、「治療」では早期離床やABCDEバンドルの活用がせん妄期間を短縮したという報告があります。

早期離床がどのようにせん妄に有効かは明らかではなく、元文献もツッコミどころ満載であるため、わかっていないことも多いのですが、まずはこれらの取り組みが重要になるでしょう。

今回は簡単にせん妄対策の「予防」と「治療」が異なることを説明しました。

せん妄を発生させれば、ICU退室後の認知機能低下が問題となり、社会復帰できない患者も少なくありません。

患者さんが笑って元の生活に戻れるよう、ICUでもできることはたくさんあるのではないでしょうか。

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