<文献紹介 第58弾:なぜ、せん妄を防ぎたいのか?>

今回は文献紹介というより、筆者のつぶやきです…。

Post-operative delirium is associated with increased 5-year mortality.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28947274

海外の文献では、せん妄の発症が予後悪化と関連しているという報告があり、せん妄を発症すれば、発症していない患者と比べて5年生存率が高いことが報告されています(60% vs 10%, p<0.001:今回の紹介文献)。

それは、非人工呼吸患者においても、せん妄を発症した患者は院内死亡率が高いことが報告されています。さらに、せん妄を発症した患者はICU退室後に認知機能障害がある割合が高いことも知られています(55% vs 27%, p=0.01))。

これを改善させるために様々な取り組みが行われています。ですが、私たちがせん妄を防ぎたいという思いはそれだけでしょうか?

予後悪化や認知機能障害などといった難しいことは私にはわかりませんが、私個人としては患者が本来の姿から遠のいて苦しんでいるからせん妄を防ぎたいし、治って本来の患者の姿に戻って欲しいと思っています。(ちなみに、これは個人的意見なので、そうでない人もいていると思うし、いろんな考え方があっていいと思ってます。)

家族がせん妄の患者を見たらどう反応するだろうか。多くの家族は動揺し、「おじいちゃんどうしたの?わかる?私よ!」、「どうしたの?しんどいの?ここどこかわかってる?」など患者に声をかけ、何かに苦しめられているんじゃないか、頭がおかしくなったんじゃないか、認知症なってしまったのではないかなど、家族の不安は強いでしょう。

特に不穏を伴う活動型せん妄の場合、看護師もチューブを抜去するんじゃないか、これは本来の患者ではなく、病気がそうさせている、苦しんでいるからその苦痛から早く解放したいと思うのではないでしょうか。

皆さんはどのようにお考えでしょうか?

この苦しみから解放し、本来の姿を取り戻すにはどうすればいいでしょうか?

そのポイント3つ、①評価、②予防、③治療です。

③の治療については、前回ABCDEFバンドルのことを話しましたが、①評価、②予防には次回から触れていきたいと思います。

<引用画像元>

1枚目:オリジナル

2〜4枚目:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28947274の文献より引用

図1

図2

図3

図4

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