Dalal PG et al. Pediatric laryngeal dimensions: an age-based analysis. Anesth Analg. 2009 ;108(5):1475-9.

PMID: 19372324

アブストラクト

Background:

従来、小児の気道は、輪状軟骨の「漏斗形」部分が最も狭いと考えられてきた。また、成長と発達により、円筒形の成人の気道形状に変化すると推察されていた。元来、小児のエアウェイマネジメントは、古典的なこの原理に基づいていた。本研究の主な目的は、さまざまな年齢の小児の気道サイズを測定することである。声門および輪状軟骨のサイズを計測し、小児の気道は本当に漏斗形なのか、ビデオ気管支鏡検査から得られた画像に基づいて調査した。

Methods:

対象は、全身麻酔を受ける、生後6ヵ月から13才までの135人の小児である。それぞれの喉頭サイズ、声門・輪状軟骨の断面積、前後径および左右直径をビデオ気管支鏡にて測定した。

Results:

135人の小児のうち、7人は画質が悪く分析から除外した。調査対象の128人(男子79人、女子49人)のうち、対象者それぞれの平均値(±SD)は、年齢5.9(±3.3)歳、身長113.5(±22.2)cm、体重23.5(±13)kgであった。全体では、輪状軟骨断面積は声門断面積より大きかった(それぞれ48.9±15.5 mm vs 30±16.5 mm)。この関係は、月齢6ヵ月以降で共通していた(P <0.001、r = 0.45)。輪状軟骨断面積:声門断面積の平均比は2.1 ± 1.2であった。そして、年齢に対する声門:輪状軟骨のサイズは正の相関があった(それぞれr = 0.36、P <0.001; r = 0.27、P = 0.001)、身長(それぞれr = 0.34、P <0.001; r = 0.29、P<0.001)、体重(それぞれr= 0.35、P <0.001; r=0.25、P=0.003)。性差による各変数の平均差は認めなかった。

Conclusion:

乳幼児に関するこの研究では、輪状軟骨よりも声門が小児気道の最も狭い部分であった。ビデオ気管支鏡画像に基づき、成人と同様、小児の気道の形状は漏斗形ではなく円筒形であった。麻酔における限られた条件下の測定であったため、気道サイズが一般小児の声門および輪状軟骨の特徴を反映するかどうかを証明するためにさらなる研究が必要である。

【私見】

この報告は当時、小児集中治療領域ではかなりインパクトがあったのではないでしょうか。

2003年に、小児の気道最狭部は輪状軟骨部分だとされる報告が出て以来、あらゆる教科書に「漏斗形」と記載されてきたので、ちょっとしたカルチャーショック?!

この報告を機に、米国でmicro cuff気管チューブが普及し、近年は本邦でも普及しています。本論文のlimitationには「麻酔中だから…」とありますが、集中治療室で気管挿管管理が行われる小児と非常に近いセッティングなので、現実に即した価値のある報告ですね。

※画像1はhttps://quizlet.com/73852566/testより一部引用

画像2はhttps://www.halyardhealthcare.com/media/12355763/microcuff_press_release.pdfより一部引用、Avanos Medical Japan, Inc.より使用許諾をいただいています

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