<KCCC文献紹介 第66弾:看護師が主導する人工呼吸器離脱プロトコルの効果>

目的:

本調査の目的は、通常の医師主導のケアと比較して、看護師主導の人工呼吸器離脱プロトコルの有効性に関する最新かつ最良のエビデンスを総合することである。

研究の背景:

プロトコル指向の人工呼吸離脱は、人工呼吸期間を短縮することが明らかになっている。先行研究からは、看護師が実施した人工呼吸離脱プロトコルは人工呼吸器装着期間の短縮につながり、離脱後の結果に大きな影響を与えることが報告されている。これは、重症患者にとって特に好ましいアウトカムをもたらす可能性があることを示唆している。

研究デザイン:

メタ分析を伴うシステマティックレビュー(系統的文献検討)

検索方略:

データベースはCINAHL、PubMed、Scopus、Cochrane Central Register of Controlled Trialを用い、2016年1月まで登録されている文献を検索した。

参入基準および除外基準:

機械的人工呼吸を受けた成人患者に対して行われた看護師主導の人工呼吸離脱プロトコルに関する定量的研究を含む利用可能で最良なエビデンスを特定するために文献を検索した。看護師以外によって実施された離脱プロトコルまたは非侵襲的人工換気(NPPVなど)に対して実施された離脱プロトコルに関するすべての研究、および18歳未満の患者を対象とした研究は除外した。

結果:

データベース検索の結果、369件の文献が検索された。合計532人の患者を対象とした3件の適格な研究を最終的にレビューに含んだ。集計されたデータを分析(メタ分析)した結果、看護師主導の人工呼吸離脱プロトコルは、人工呼吸器装着期間(平均差= -1.69日, 95%CI:-3.23〜-0.16)、ICU滞在期間(平均差:-2.04日, 95%CI=-2.57~-1.52, I2:18%, p=0.00001)、在院日数(平均差:-2.9日, 95%CI:-4.24~-1.56, I2:0%, p=0.00001)を有意に短縮していた。

結論:

人工呼吸器を装着した成人患者に対する看護師主導の人工呼吸離脱プロトコルは、人工呼吸器離脱後のアウトカムおよび患者の安全性に良い影響を与えるというエビデンスが示された。

臨床実践への関連性:

このレビューは、ICUで働く看護師の重要な役割と、人工呼吸器からの離脱を導く能力を裏付けるエビデンスを提供する。

【私見】

人工呼吸器離脱プロトコルの導入は、人工呼吸器装着期間の短縮やその後のアウトカムにも有効なことはよく知られていることです。そのようななか、今回の研究では、看護師が主導したプロトコルに限って、効果を検証した研究になります。結果は、「約1日半の人工呼吸器装着期間を短縮している」という効果を示しました。この1日半を短いととるか、長いととるかは、それぞれの医療者の解釈に委ねられるでしょう。ただ、「想像を絶する苦痛」と評されることが多い集中治療期間(特に人工呼吸器装着期間)は、患者にとっては1秒でも短くなって欲しいことでしょう。

人工呼吸器離脱プロトコルは、その導入にこそ難しさがあります。今回のシステマティックレビューでも、「看護師主導」と限ると3本しか適切な研究がありませんでした。この少なさの背景にも、「良いと分かっていても、すぐに実行するにはハードルがある」という課題が見え隠れします。

人工呼吸器離脱に限らず、プロトコルを施設に導入する際のハードルの乗り越え方を、共に考えていけたら良いですね。

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