Decreasing skeletal muscle as a risk factor for mortality in elderly patients with sepsis: a retrospective cohort study.
Shibahashi K, Sugiyama K, Kashiura M, Hamabe Y. J Intensive Care. 2017.
PMID: 28096999

【背景】
高齢患者は、敗血症患者の大半を占める。
この研究の目的は、敗血症の高齢者の骨格筋量の低下が転帰と関連しているかどうかを調べることである。
【研究デザイン】
後方視的コホート研究
【期間】
2012年1月から2016年2月
【対象】
60歳以上の敗血症と診断された第三次医療センター集中治療室に入院した患者
【除外基準】
入院当日に腹部CTを施行していない患者、到着時に心肺停止、腸腰筋膿瘍を有する患者
【方法】
第3腰椎(L3)における横断面筋肉面積を定量化し、院内死亡率との関係を分析した。
性別とAPACHE IIスコアを説明変数とした多変量ロジスティック回帰分析を行った。
骨格筋減少症(サルコペニア)を定義するための最適なカットオフ値を、受信者動作特性曲線(ROC曲線)を用いて計算し、院内死亡率のオッズ比を決定した。
【結果】
150名の敗血症患者(中央値75歳)が登録された。
院内死亡率38.7%、APACHEⅡスコア24pointであった。
死亡した患者の骨格筋は、生存群の骨格筋よりも有意に低かった(P <0.001)。
多変量ロジスティック回帰分析は、筋肉量の減少が死亡率の増加と有意に関連していることを示した(オッズ比= 0.94, 95%信頼区間= 0.90-0.97、P <0.001)。
院内死亡率を予測するための骨格筋面積の最適カットオフ値は、男性で45.2cm2、女性で39.0cm2であった。これらのカットオフ値では、減少した筋肉面積のオッズ比は3.27(95%CI、1.61〜6.63、P = 0.001)であった。
【考察】
骨格筋量の減少は、高齢の敗血症患者の院内死亡率の上昇と関連している。
この研究の結果は、低筋肉の患者を特定することが、この集団における層別化を改善することに寄与することを示唆している。

【私見】
元々骨格筋減少(サルコペニア)があるうえに、重症疾患では侵襲によってさらに骨格筋減少を助長してしまいます。さらにサルコペニアを有する患者は院内死亡率も上昇し、長期的な生存率も低下してしまうことがこのグラフからわかります。このことからも救急やICUなどの超急性期病棟であっても入院時にサルコペニアのスクリーニングは生存率を高めるためにも重要であると思います。
骨格筋減少の評価方法として、下腿周囲長で簡便に評価することもできます。男性30cm以下、女性29cm以下でサルコペニアの基準にあてはまるので注意が必要です。
サルコペニアスクリーニングをしたうえで、治療と並行して早期離床と栄養管理を同時に進めることが骨格筋の減少を食い止める、維持できる方法だと思います。

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