Effect of Postextubation High-Flow Nasal Cannula vs Noninvasive Ventilation on Reintubation and Postextubation Respiratory Failure in High-Risk Patients
A Randomized Clinical Trial
研究デザイン:多施設ランダム化非劣性試験
P:12時間以上の機械換気を受け、計画的に抜管する患者で抜管後呼吸不全のHigh Risk因
子に該当した患者
I:抜管後に高流量鼻カニュラ酸素療法(High-Flow Nasal Cannula: HFNC)を受けた患者
C:抜管後に非侵襲的人工呼吸(Noninvasive Ventilation:NIV)を受けた患者
O:抜管後72時間以内の再挿管率と抜管後呼吸不全
目的: 再挿管や抜管後呼吸不全となるリスクの高い患者に対して、HFNCはNIVに劣っていないか調査すること。
【方法】
12時間以上人工呼吸器を装着し、以下のHigh Risk因子に該当した患者を対象者とした。
対象者はHFNCもしくはNIVのどちらかがランダムに選択され、24時間装着した。
抜管後呼吸不全のHigh Risk因子
・65歳以上
・心不全による人工呼吸器管理
・中等度から重度の慢性閉塞性肺疾患
・抜管日のAPACHE2スコア>12
・BMI>30
・抜管後に咽頭浮腫のリスクや気道の開存性に問題がある
・咳嗽反射が弱いor多量の気道分泌物(抜管8時間前までに吸引2回以上)
・自発呼吸試験に一度失敗している
・2つ以上の併存疾患がある
・7日間以上の人工呼吸器管理
【結果】
604名が対象者となり、そのうち、HFNC群は290名、2名が脱落、最終的に288名であった。一方NIV群は、314名で、2名脱落、最終的に312名となった。
再挿管率は、HFNC群:22.8% vs. NIV群:19.1%であり、再挿管率の差は−3.7%(95% CI, −9.1% 〜∞)と、非劣性が示唆された。
抜管後呼吸不全は、HFNC群:26.9% vs. NIV群:39.8%であり、抜管後呼吸不全の差は12.9%であった(95% CI, 6.6% to ∞)。
HFNC群とNIV群で再挿管までの時間に有意な差はなかった(HFNC群: 26.5 h, IQR: 14-39 h vs. NIV群: 21.5 h, IQR: 10-47 h, absolute difference, −5 h: 95%CI: −34 〜24 h)。
ICU滞在日数では、HFNC群の方が、NIV群より有意に短かった(HFNC群:3 days, IQR:2-7 vs. NIV群:4 days, IQR:2-9, P=.048)。
【考察】
再挿管や抜管後呼吸不全のHigh Risk患者において、HFNCはNIVに劣っていなかった。
【私見】
この研究ではあくまでも劣っていないかを調査する非劣勢試験が行われています。そのため、あくまでも劣っていないとしか言えません。また、対象者が予定の対象者数よりも少ないため、“劣っていない”ということが出やすい状況です。つまり、予定人数であれば“劣っていない”=NPPVのほうが有効という結果が出たかもしれません。
この研究で私が注目した点は、HFNC群ではHFNCを離脱した24時間以降に、再挿管率が上昇している点で、注目すべき結果だと感じました。
また対象者の除外基準に、高二酸化炭素血症の患者があるため、全ての患者で適応できる結果ではないのかなと感じましたが、皆さんはいかがでしょうか?
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