<KCCC文献紹介 第77弾:患者が抱える苦痛について>

心臓血管術後の人工呼吸器装着患者が抱える不快の分析:後ろ向き研究

目的:本研究では、心臓血管術後の人工呼吸器装着患者が感じる不快について分析し、有害な心理的反応を軽減するために最も一般的な不快な症状を特定することを目的とした。

デザイン:後ろ向き研究

背景:単一の大学病院

対象者:心臓血管術後に人工呼吸器を使用していた心臓疾患患者(N = 800)

介入:心臓血管術後に人工呼吸器装着している患者の主な不快な症状を分析した。研究者によってリストされた14の不快と感じるであろう項目に対して、抜管後の患者にVASによる調査をおこなった。

測定と主な結果:患者の快適性はVASを使用して評価され、快適さに影響する要因が分析された。全患者の平均VASスコアは5.8±2.0であり、ほとんどの患者は中等度の不快を感じていると回答した。重回帰分析の結果、快適性に影響を与える要因には「コミュニケーションの障壁」、「睡眠障害」、「痰の吸引」、「患者-人工呼吸器の非同調性」、「ドライマウスとのどの渇き」、「活動制限」、「緊張」、および「劣悪な環境条件」が挙げられた。

結論:この研究では、心臓血管術後の人工呼吸器装着患者に不快を引き起こす8つの独立した要因が特定された。臨床家は身体精神的障害、有害な精神的反応を減らし、回復を促進するために、適切にこれらを評価して看護実践をおこなう必要がある。

私見:入院期間中に患者が抱える苦痛は多岐にわたることが理解できます。「コミュニケーションの障壁」、「睡眠障害」、「痰の吸引」、「患者-人工呼吸器の非同調性」、「ドライマウスとのどの渇き」、「活動制限」、「緊張」、および「劣悪な環境条件」、これらに対して適切な評価と看護介入が必要だと論文の中で言われていますが、果たして自身の臨床ではどこまで適切に評価できているでしょうか?

近年のトピックである睡眠障害や口渇についても、実際にスコアをつけている施設は多くないでしょう。まずは評価をしてみること、これが臨床実践を変えるきっかけになりそうですね。 あとは小さなことですが「痰の吸引」…患者の苦痛を最小限に実践できていますか?必要以上にサクションチューブを深くまで挿入していませんか?“患者自身の咳嗽”という残存機能を主役にした吸引が実践できていますか?ひとつひとつの看護実践が侵襲的であればあるほど、自身の実践を省みないといけませんね。

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