<KCCC文献紹介 第78弾:看護師の仕事って、何が大変なの?>

Alghamdi MG(2016) Nursing workload: a concept analysis. J Nus Manag. 24(4), 449-457

PMID: 26749124

https://doi.org/10.1111/jonm.12354

【目的】

本研究の目的は、先行文献を基に看護の業務負担を明確に定義するために看護の世界で理解されている「業務負担」に関する全体的な理解を進めることである。

【背景】

看護の業務負担は、健康に関する文献で使用される一般的な用語だが、その正確な意味は特定されていないことが多い。概念を解明することは、「看護の業務負担」という用語の意味を明確にするために必要である。

【方法】

看護の業務負担を定義する属性を明らかにするために、Walker and Avantが提唱する概念分析の方法を用いた。看護をメインテーマとして焦点化したため、先行文献検索のデータベースはCINAHLだけとした。タイトルまたはアブストラクトのなかで「業務負担(workload)」という用語が使われていない文献は除外した。モデルケース、反対ケース、関連ケース、および経験的指示対象を作成し、概念を明確にし、業務負担が主な属性によってどのように取り込まれるかを検証した。

【結果】

先行文献の中で扱われていた「看護の業務負担」の属性は、以下の5つの主なカテゴリーに分類できた。すなわち、①看護を実践する時間、②看護に求められている能力のレベル、③患者に対するケアの度合い、④活動量(作業量)、⑤ケアの複雑さ、であった。 属性は、患者・看護師・医療機関として識別された主要な先行要件に従って整理された。

【看護管理への影響】

看護師の管理職者は、看護業務の本質に関して業務負担の問題に対処する必要がある。それによって、看護師の生産性や満足度を高め、離職率や仕事のストレスを低減し、患者ケアのニーズに対して十分な人員を配置することができるかもしれない。

【結論】

今回行った概念分析によって、(看護の業務負担という)概念の複雑さを明らかにし、その実践と研究への影響を示した。今回の概念分析は、看護の業務負担に対する、より良い理解を提供し、「看護の業務負担」という用語の標準化と有効かつ信頼できる測定システムの開発につながると考えられる。

【私見】

皆さんも、「看護師は忙しい」「看護の仕事ってコスパが悪い…」なんて、看護の業務に対するネガティブな感情を一度でも抱いたことがある人は多いのではないでしょうか。一方で、看護の何が大変なのかはハッキリと言えなかったりもするものです。

概念分析は、「なんとなーく、こうだよね」と色んな人がそれぞれに考えたことを、類似するものでまとめて、「それってつまり、こういうことでしょ」と、曖昧な概念を明確に定義する手法です。

今回の文献は、「われわれ看護師は、どんなことで看護が忙しくなっていると考えているのか」を、見える化してくれた研究です。

この5つの視点を意識して人員配置や業務分担をしてみると、職場での「お互い様」な空気も自然と生まれるかもしれません。

明日のあなたは、

①仕事の時間が長くて大変なのでしょうか?

②受け持った患者の重症度が重いから大変なのでしょうか?

③看護必要度が高いから大変なのでしょうか?

④入院患者や転入患者の受け入れなど、手続きや作業が多いから大変なのでしょうか?

⑤特別な配慮が必要なケアをしなければならないから大変なのでしょうか?

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