先週は再挿管となるHigh Risk患者を対象に行われた研究を紹介したので、今週はLow Risk患者を対象に行った研究を紹介したいと思います。

Effect of Postextubation High-Flow Nasal Cannula vs Conventional Oxygen Therapy on Reintubation in Low-Risk Patients: A Randomized Clinical Trial

JAMA. 2016 Apr 5;315(13):1354-61.

研究デザイン:多施設ランダム化優越性試験

P:予定された抜管の準備が整った12時間以上の機械換気を受けた患者で抜管後呼吸不全のLow Risk因子に該当した患者

I:抜管後に高流量鼻カニュラ酸素療法(High-Flow Nasal Cannula: HFNC)を受けた患者

C:抜管後に従来の酸素療法(Conventional Oxygen Therapy:COT)を受けた患者

O:抜管後72時間以内の再挿管率と抜管後呼吸不全

【方法】

対象者は、12時間以上の機械換気を受け、計画的に抜管する患者で且つ表1の抜管後呼吸不全のLow Risk因子に該当した患者であった。対象者は抜管後、HFNCもしくは通常の酸素療法のどちらかをランダムに選択され、HFNC群では24時間装着し、通常の酸素療法群はSpO2: 92%を目標に酸素流量を調整した。

抜管後のLow Risk因子

• 65歳未満

• 心不全による人工呼吸器管理ではない

• 中等度から重度の慢性閉塞性肺疾患がない

• 抜管日のAPACHE2スコア≦12

• BMI≦30

• 抜管後に咽頭浮腫のリスクや気道の開存性に問題はない

• 有効な咳嗽ができ、気道分泌物が少ない(抜管8時間前までに吸引2回未満)

• 自発呼吸試験に一度で合格

• 併存疾患は1つ以下

• 7日間以内の人工呼吸器管理

【結果】

527名が対象者となり、そのうち、HFNC群は264名、COT群は263名であった。

再挿管率はHFNC群で有意に低かった(HFNC群:4.9% vs. 従来の酸素療法群:12.2%, absolute difference: 7.3%, 95% CI: 2.5% to 12.2, P= 0.004)。また、抜管後呼吸不全の発生率もHFNC群で有意に低い結果となった(HFNC群:8.3% vs. 従来の酸素療法群:14.4%, absolute difference: 6.1%, 95% CI: 0.7% to 11.6%, P= 0.03)。

【考察】

抜管後にHFNCを使用することは72時間以内の再挿管リスクを減少させる。

【私見】

この研究の結果を見てみると、HFNCの優越性が示されているため、HFNCの方が良いと思ってしまいます。しかし、この研究のLow Risk患者に当たる患者は、臨床では大多数を占めているのではないでしょうか?臨床で大多数を占める、すべての患者にHFNC適応するのは酸素ボンベなどのコスト面から現実的ではないかなと感じています。そのため、Low Risk患者でも臨床で使用するには患者の選別が必要だとと思います。

また、通常の酸素療法(COT群)は使用したデバイスが不明であるため、少なくとも結果に影響したと考えられます

Kang(文献1)らはHFNCを48時間使用して再挿管率が3.8%であったと報告しており、24時間以降もHFNCを使用することで、再挿管率は低下することも期待できそうです。

文献
1. Kang, B.J., et al., Failure of high-flow nasal cannula therapy may delay intubation and increase mortality. Intensive Care Med, 2015. 41(4): p. 623-32.

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