【コラム51:そうだ!VRを医療現場に活用しよう】

前回、VRを術後の苦痛緩和に活用できないかという文献を紹介しました(KCCC文献紹介 第74弾:ICU入室患者の苦痛緩和にVRは有効か?無効化?)。残念ながら、この研究では結果がでませんでしたが、研究デザインや研究方法を変えれば、まだまだ改善の余地が残されています。

ネットサーフィンをしているとすごく面白い記事をみつけました。

終末期の患者にVRを用いて、思い出巡りをするというものです。

以下、記事の抜粋です。

「中皮腫を患い、緩和ケア病棟で過ごす同県尼崎市の男性(66)は5月末~6月初旬、ベッド上でVRヘッドセットを装着した。「自宅を見たい」という男性の願いを受け、妻(59)と三女(26)が、360度カメラで撮影したリビングや寝室、ヤマモモやモクレンが育つ庭、愛車などの映像が流れた。

 妻と三女は「本人目線で、歩いているように撮影した。パパがいつも座っていたソファに座り、好きなゴルフ番組にチャンネルを合わせた。13年間乗った車の運転席では、運転気分を味わえるよう工夫した」と話す。男性は「まさか見られると思ってなかった」と感想を漏らし、特に愛車の場面の再生を繰り返した。」

とのことです。VR体験前と体験後にアンケートを行った結果、不安感が減り、楽しみや幸福感が増す傾向があったとのことですが、そこには表現しきれないような効果があったのではないかと想像できます。

この取り組みは、緩和ケア病棟ですが、ICU、一般病棟、自宅でも、どこでも活用できるのではないかと思いました。

個人的な話になりますが、筆者のじいちゃんが肝がんの末期を診断された時、症状が寛解している時期を見計らって、思い出巡りをしたことを思い出しました。昔よく連れて行ってもらった伊勢旅行や、趣味の栗拾いにいって、写真や動画を撮りました。思い出話で盛り上がったり、そのこと自体がまた思い出になります。じいちゃんが亡くなってもう2年以上たちますが、ばあちゃんの部屋は、その時の写真でいっぱいで、今でもその写真を見ながらじいちゃんの話をします。少なからず、悲嘆過程に良い影響を与えるのではないかなと思います。

デジタルテクノロジーが急速に進化する昨今、バーチャルとリアルの境目が曖昧になると言われていますが、どうせなら最大限に活用(利用?)した方がいいのではないかと個人的には思います。

例えば、患者が自宅や病院で動けなくなり、行きたい場所があるとします。家族が代わりに360度カメラをつけて歩いて、その映像をリアルタイムで患者がみながら、イヤホンマイクで会話をします。一緒に旅行を体験しているような感覚になるのではないかと妄想しています。

筆者のじいちゃんの場合で考えると(もう動けなくなってしまって、栗拾いを希望したとして)、筆者が栗を拾いに山に行って、じいちゃんにリアルタイムで栗の在り処を教えてもらいながら、それを持ち帰って、栗拾い話に花を咲かせるなんてことができるかもしれません。終末期にあれもこれも「できない」中で、こんなことも「できた」が、一つでも増える一助になるのかな〜なんて思います。

もちろん、大前提として、その人が何を求めていて何をしたいのか?という、希望を汲み取ることが最も大切なのは言うまでもありません。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。

皆様のコメントもお待ちいたしております。

引用記事

https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201906/0012404221.shtml

KCCC文献紹介 第74弾:ICU入室患者の苦痛緩和にVRは有効か?無効か?

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