【文献紹介82弾:「拝啓 ICUに入室された患者様 お元気ですか?」】

J Crit Care. 2019 Aug;52:115-125. doi: 10.1016/j.jcrc.2019.04.014. Epub 2019 Apr 11.

被験者の転帰に対するICU後の追跡調査の効果系統的レビューとメタ分析

Rosa RG、Ferreira GE、Viola TW、Robinson CC、Kochhann R、Berto PP、Biason L、Cardoso PR、Falavigna M、Teixeira C

PMID:31035186

Abstract

目的:

本系統的レビューおよびメタ分析は、ICU後の追跡調査に関連した被験者の転帰に関するデータを統合することを目的とした。

方法:

MEDLINE、PsycINFO、CINAHL、Cochrane CENTRAL、およびEMBASEデータベースを、事前に指定された基準に従って検索した(PROSPERO-CRD42017074734)。ICU後の追跡調査に関連した患者および家族の転帰を評価する非ランダム化およびランダム化試験が含まれていた。

結果:

26の研究が含まれていた。16件(61%)が無作為化試験であった。これらのうち、15はメタ分析された。無作為化されていない研究では、生存率、機能的状態、不安、鬱病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)症状、および満足度に有益性が報告されている。無作為化試験では、理学療法に焦点を当てたICU後の追跡調査モデルは、より少ない鬱病症状と関連していた(平均差[MD]、-1.21(図2参照); 95%信頼区間[CI]、-2.31から-0.11)。短期間で精神的健康関連QOLスコア(標準化MD [SMD]、0.26、95%CI、0.02〜0.51、I 2 = 6%)。心理的または医学的管理介入に焦点を当てたICU後の追跡調査モデルは、中期的に少ないPTSD症状(SMD、-0.21、95%CI、-0.37〜-0.05、I2 = 0%)と関連していた。

結論:

ICU後の追跡調査は、理学療法に焦点を当てたモデルでは短期間にうつ病の症状と精神的健康関連の生活の質を改善し、心理的または医学的管理介入に焦点を当てたモデルでは中期的にPTSDの症状を改善する。

私見:

今回ご紹介するのは、PICSに関連する文献です。PICSとはご存知の通り、Post intensive care syndrome:集中治療症候群の略で、ICU在室中あるいは退院後に生じる運動機能障害、認知機能障害、精神機能障害であり、長期予後に影響を与える病態のことです。今回の文献では、理学療法に焦点を当てたモデル、心理的または医学的介入に焦点を当てたモデルによってそれぞれ精神健康関連の症状、PTSDの症状が改善することが示されています。釈迦に説法かもしれませんが、ICUで超急性期の患者にケアする際に、中長期予後を意識して介入することが重要だと改めて感じました。しかし、中長期予後を意識しながら継続的に介入するためには、看護師のみならず、多職種と連携することが重要になります。「多職種連携」って、簡単なようでなかなか難しいですよね。皆さんの施設では、どのように多職種連携していますか?各専門職がチーム一丸になれれば、どれだけ良いか・・・言うまでもありませんね。

ちなみに・・・(告知)8月25日に大阪で「重症患者の回復促進〜重症患者のリハビリテーション・PICSを視野に入れたケア〜」が開催されます。これまでPT、医師などもご参加いただき、多職種連携を強化するヒントも見つかるかもしれません。ご興味のある方はぜひご参加ください。

kansai-ccc.jp

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