【コラム52:2030年に求められるスキルと、教育とは?!】

〈OECD Learning Framework2030(OECD Education2030):2030 年に向けた学習枠組み〉

※画像は
https://www.oecd.org/education/2030/E2030%20Position%20Paper%20(05.04.2018).pdfより引用

https://www.oecd.org/education/2030/E2030%20Position%20Paper%20(05.04.2018).pdf(原文版)

https://www.oecd.org/education/2030/OECD-Education-2030-Position-Paper_Japanese.pdf(日本語版)

【Position Paper概説】

「21世紀型スキル」は2010年に定義されました。その後、一層グローバル化は進み、AIやIoTなど科学技術の進展による社会変革、日本においては顕著な人口減少など、困難かつ新たな課題に対応するために必要な能力や教育手法の整理が行われています。

OECD Education 2030とは、教育制度の将来に向けたビジョンとそれを支える原則を示すものです。

国連では、2030年に向けて、持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals(SDGs)というものを定めています。教育分野において、SDGsを達成するための指針が、OECD Education2030です。

OECD Education 2030として「生き延びる力」の育成が必要であるとし、学習者や指導者のあるべき姿を示されました。

OECD Education 2030では、「生き延びる力」を次の3つに分類しています。

  1. 新しい価値を創造する力(Creating new value):
  2. 緊張とジレンマの調整力(Reconciling tensions and dilemmas):
  3. 責任をとる力(Taking responsibility):

【生き延びる力とは】

「生き延びる力」とは、世の中を変える力を持ち、周囲にプラスの影響を与え、他者の考えや行動や気持ちを尊重し、中長期的な影響を予測できる力である、とされています。

これを育むためには、知識、スキル、態度を基盤としながら、メタ認知能力や共感力、自己効力感、ICT活用能力ほか、様々なコンピテンシーを総動員して課題解決に取り組むことが求められています。

そして、学習者を取り巻く教員、保護者、コミュニティ、仲間もまた「学び続ける存在」であることを求めています。

【カリキュラムの設計原則】

OECD Education 2030をカリキュラムに盛り込むため、OECDは設計原則も提示しています。

  1. コンセプト
  • 学習者に刺激を与え、前提知識、スキル、態度、価値観が認識できるよう、学習者中心にデザインされたカリキュラム
  • 挑戦的かつ、深い考えを必要とする課題を与える
  • 基本的なものから高度なものへ段階的かつ年齢的に積み重ねることができるような設計
  • 学習者の学び、行動、価値を評価できる新たな評価方法の開発
  • 知識、スキル、態度、価値観を1つの文脈で学び、転移させる
  • 前提知識、スキル、態度、価値観を優先し、様々な課題やプロジェクトを選択できる
  1. プロセスデザイン
  • 専門知識や専門スキルを活用できるような環境を保証する
  • ジグソー法等の協調学習により学習体験を現実の世界に結び付け、目的意識を持たせる
  • 課題が現実の生活や他の課題と関連していることを発見する機会を与える
  • 更新・挑戦し続けることができるカリキュラム

【私見】

Position Paperとは、いわば中間報告なので、まだ形成段階の生成物です。ただし、非常に示唆的で、「教育の羅針盤」とでも呼ぶべきでしょうか。教育学の様々な理論が組み込まれ、設計されているなという印象を受けました。OECD Education 2030が提唱している3つの力は、教師や学生だけではなく、医療者にも求められる能力です。学習者自身はもちろん、学習者を取り巻く我々、そしてKCCCというコミュニティも「学び続ける存在」であることを日々意識したいですね。


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