〈KCCC文献紹介第87弾:気管チューブの先端位置はどう動く?〉

Kim JT, Kim HJ, Ahn W, et al.Head rotation, flexion, and extension alter endotracheal tube position in adults and children.Can J Anaesth. 2009 ; 56(10):751-6. 

※画像は「 池辺 諒ほか.小児の気管チューブトラブル解決塾.呼吸器ケア 14(11), 2016.」より引用

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19639372

目的:

本研究の目的は、気管チューブ(ETT)の位置に関して、成人と小児の頭部の動きに対する影響を評価し、ETT位置に対する頭部の屈曲と伸展の影響に関する結果を確認することである。

方法:

成人24名と、1〜9歳の小児22名に麻酔をかけた後、ETTを右口角に固定した。気管支鏡を使用し、各患者の頭部を正中中間位に保持し、頭部前屈、後屈、右向き、左向きにし、気管分岐部からETTの先端までの距離を計測した。

結果:

すべての患者で、頭部を前屈させるとETTが気管分岐部に向かって移動し、頭部を後屈させるとETTが適正位置より浅くなった。成人では、右に頭を回転させると、1人を除くすべての患者でETTが抜浅した。変位は0.8±0.5cm(平均±SD)であった(P<0.001)。頭を左に回転させると、ETTは予測不可能な方向に0.1±0.6 cm変位した。小児では、頭を右に回転させるとすべての患者でETTが抜浅した。変位は1.1±0.6cmであった(P<0.001)。頭を左に回転させると、すべての患者でETTが抜浅した。変位は0.6±0.4cmと測定された(P<0.001)。

結論:

全身麻酔下の成人患者では、頭部前屈は気管分岐部からETTのごくわずかな移動をもたらしたが、後屈は予測不可能にチューブを抜浅させた。小児では、左右どちらかに頭部を回転させると、気管分岐部からETTが抜浅された。

私見:

臨床において、皆さんは日々胸部Xpで各患者の気管チューブ先端位置を観察されていますか?本報告から、頭部の向きによりETT先端位置が大きく変位することがわかります。特に小児は声帯から気管分岐部の距離が短く事故抜管の危険性が高くなります。

※画像は「 池辺 諒ほか.小児の気管チューブトラブル解決塾.呼吸器ケア 14(11), 2016.」より引用

日々の胸部Xp確認に加えて、毎日同じ条件(頭部正中中間位)で撮影することで、はじめてETT先端位置の評価につながります。多忙な業務に追われがちですが、患者安全を優先したケアを心掛けたいですね。

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