【コラム57:常に、「患者を思いやる」ことはできていますか?】

私は日々さまざまな年代、病棟の看護師と話す機会があります。しかし、看護師の中には、「もうしんどいです」「やること多すぎて後輩にも優しくなれないです」「いつもイライラしてどうしたらいいんですか」なんてことを話してくる人も少なくなりません。時には愚痴のはけ口も必要だろなと受け止めながら、ちゃんと働いていけるのだろうかと心配になる一方で、こんな状態で患者に寄り添ったケアは果たして出来ているのだろうかと不安になることがあります。もちろん、疲弊しながらも仕事をするときはプロフェッショナルとしての姿勢と態度で振舞うことができる人もいるかもしれません。皆さんは、どんな状況でも患者を思いやり、ケアを提供できていますか?

 さて、最近多くの雑誌で「セルフコンパッション」という言葉を目にすることがあります。セルフコンパッションとは、米国の心理学者クリスティーン・ネフ博士が提唱した概念であり「困難に直面した時、自分自身の肯定的、否定的側面の両方を優しく理解し受け入れ、その苦しみが人類に共通していることを認識し、感情のバランスを取れる特性」と定義されています。セルフコンパッションが高い人たちは、「防衛的にならず、ありのままでいられる」「他者にも寛容」「自己成長へのモチベーションが高い」などの特徴が見られ、仕事以外でも様々な結果を出す傾向にあるようです。

 このセルフコンパッションを高めるには、3つ重要なポイントがあるようなので紹介します。

  • 自分に優しくする

 うまくいかないことがあった時に、他者のせいにも、自分のせいにもしないこと。うまくいかなかった時の感情にも寄り添い、良かったところも認めつつ、できていなかったことにも向き合うこと。 

  • 共通の人間性の認識

 人間は不完全な存在であるということを理解すること。自分が不完全であることを認め、同時に他者も不完全であることを認識する。そして不完全であるからこそ成長を願い、ベストを尽くすこと。 

  • ありのままに世界に対してマインドフルになる

 うまくいかなかった時に、後悔や不安などに支配されるのではなく、その感情や思考を客観視して受け入れること。

看護師として、どんな状況であっても可能な限り患者の思い(意思)を尊重し、最善のケアを提供するためにも、自分の一時的な感情に振り回されるのではなく、感情のバランスも整えられる看護師になりたいものですね。

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