<KCCC文献紹介 第94弾:胃内残量での経腸栄養中止基準は?>

Gastric residual volume during enteral nutrition in ICU patients: the REGANE study.

Montejo JC, Miñambres E, Bordejé L, Mesejo A, Acosta J, Heras A, Ferré M, Fernandez-Ortega F, Vaquerizo CI, Manzanedo R.

Intensive Care Med. 2010 Aug;36(8):1386-93.

PMID: 20232036

https://link.springer.com/article/10.1007/s00134-010-1856-y

【目的】

経腸栄養法の妥当性における胃内残留量(GRV)の上限値の増加の影響を比較する。

胃腸の合併症の頻度と転帰の変数は二次的な目標でした。

【研究デザイン】

オープンな前向き無作為化試験。

【設定】

スペインの28の集中治療室。

【患者さん】

経腸栄養法(EN)を有する329人の挿管および人工呼吸器装着患者。

【介入】

経鼻胃管によりENを投与した患者で、EN関連の胃腸合併症の管理のためのプロトコルが使用されました。

患者は、対照(GRV = 200 ml)または研究群(GRV = 500 ml)に含まれるように無作為に割り付けられた。

【測定と結果】

食事量比(食事/処方食事)、消化管合併症の発生率、ICU後天性肺炎、機械的換気日数、およびICU滞在日数が研究の変数でした。

消化管合併症は対照群で高かった(63.6 vs 47.8%、P = 0.004)が、唯一の違いは高GRVの頻度にあった(42.4 vs 26.8%、P = 0.003)。

食事量比は、第1週の間だけ研究グループの方が高かった(84.48対88.20%)(P = 0.0002)。

容積比は3週目と4週目の両群で同様であった。

機械的換気の期間、ICUの滞在期間または肺炎の頻度は同様であった。

【結論】

経腸栄養法で治療された人工呼吸器装着患者の食事量比は、GRVの上限を上げても影響を受けない。

500mlの限度は、胃腸の合併症または結果の変量における悪影響とは関係ありません。

GRVの通常の限度として500 mlの値も同様に推奨できます。

【私見】

経腸栄養の合併症予防は看護師の大切な栄養管理の観察項目のひとつです。

栄養剤投与開始してもよいかを、どうやって確認していますか?胃内残量は確認していますか?

日本版重症患者の栄養療法ガイドラインでも「胃内残量<500 mlであれば経腸栄養を中断しない。」と推奨されています。

経腸栄養プロトコルはどのような対応になっていますか?また、どのような対策をしていますか?

個人的には、

①500ml以上であればイレウスを除外し、消化管蠕動運動促進剤の使用を検討し経腸栄養は一旦中止。

②500ml以下だが、栄養剤の一回投与量よりも多い胃内残量がある場合、胃排泄遅延を疑う。イレウスを除外したうえで消化管蠕動運動促進剤の使用を検討し継続。

③胃内残量500ml以下・投与した栄養剤よりも少ない場合は継続。

以上の内容をプロトコルに組み込んで活用しています。

合併症のない栄養管理を行うためにも、安全なプロトコルの作成をする必要があります。

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