【コラム63:重症患者にもオーラルフレイルあると思います!】

みなさんはオーラルフレイルという言葉を聞いたことがありますか?

集中治療領域でのオーラルフレイルに関する、研究はまだまだ少ないのが現状です。

しかし、集中治療に携わる看護師は気づいています・・・。抜管後、「嚥下機能大丈夫?」

まず、フレイルとは加齢に伴い心身の機能は徐々に低下し、虚弱に傾きながら自立度低下を経て要介護状態に陥ることとされています。サルコペニアは身体的フレイルの中に含まれており、その他にも精神的フレイル(うつ、認知機能低下など)や社会的フレイル(独居、経済的困窮など)があります。

最近、集中治療の領域でもサルコペニアに関する発表や報告をよく耳にするようになりました。その対策に早期リハや早期経腸栄養を行っているかと思います。

オーラルフレイルは、「Oral」と「Frailty(フレイル)」を合わせた造語であり、「口のフレイル」という意味で老年症候群のひとつとされています。

フレイルによる口腔機能虚弱化、口腔機能の虚弱からくる全身機能低下からの嚥下機能低下、嚥下機能低下による摂取不良からの低栄養、低栄養からの全身状態低下と悪循環が起こり始めます。これがオーラルフレイルの概念となります。

ただし、まだ明確な評価ツールなどがないのが現状です。個人的にはサルコペニア(全身性の筋肉減少)があり、歯牙欠損(歯が抜けたままの状態)や食事摂取量の低下、誤嚥徴候がある人はオーラルフレイルに当てはまるのではないかと思います。

高齢者の重症患者においても、しばらく挿管管理している場合はいかがでしょうか?

それに加えて、維持輸液だけでエネルギーを与えない管理をしながら早期離床で体を動かしてはいませんか?

そんな患者が挿管中に舌苔が増えた、意識しないと口が閉まらなくなった、抜管後義歯が合わなくなった、咀嚼するのに疲れて出来ないなど心当たりはありませんか?

挿管のため常に開口位となり、鎮静のため不動の状態が続くと、全身状態はもちろん口腔機能も低下するのは明白です。だからと言って、治療上必要性があると挿管はしないというわけにはいきません。

看護師は、抜管後すぐに食事摂取が再開できるように口腔内の環境は最低限整えておきたいところですね。

口腔ケア大事です!!

また口腔内の異常を早く見つけて、歯科医師や歯科衛生士などの専門家の介入へつなぐことも看護師の重要な役割となります。

看護師のケアがPICSやオーラルフレイルを予防する時代ですね。

【参考文献】

公益社団法人 日本歯科医師会: 歯科診療所における オーラルフレイル対応マニュアル 2019 年版.

白石愛ほか: 高齢入院患者における口腔機能障害はサルコペニアや低栄養と関連する, 日本静脈経腸栄養学会雑誌 31(2):711-717:2016.

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