【KCCC文献紹介 第107弾:重症患者に神経因性疼痛鎮痛薬は効果があるの?】

おはようございます。昨年、椎間板ヘルニアになって、プレガバリン(リリカ®︎)の内服経験がある看護師です。

 今日は、PADISガイドラインで紹介されていた、痛みに対する文献を一つご紹介いたします。

プレガバリンは、心臓手術後の高齢患者にオピオイド節約効果がある:無作為化プラセボ対照試験

Pesonen A, Suojaranta-Ylinen R.et al:Pregabalin has an opioid-sparing effect in elderly patients after cardiac surgery: a randomized placebo-controlled trial.Br J Anaesth. 2011 Jun;106(6):873-81.  PMID:21474474

背景:

本前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、高齢者の心臓手術患者のオキシコドン消費、術後せん妄、および疼痛に対するプレガバリン(リリカ®︎)の効果を調査した。

方法:

心臓手術(冠動脈バイパス術、弁置換術)受けた75歳以上の高齢患者70名を対象に、 プレガバリン群:術前にプレガバリン150mg投与し、術後5日間に75mg(2回/1日)、プラセボ群:同様の投与に無作為に分類した。疼痛強度は、言語評価尺度(VRS;0−4点)で測定した。疼痛強度がVRS2以上の場合、患者はオキシコドンを静脈内(0.05 mg /kg)または経口(0.10-0.15 mg /kg)で投与した。術後せん妄は、CAM-ICUで測定した。術後疼痛は、1と3ヶ月の電話インタビューで評価した。

結果:

プレガバリン群では、抜管後最初の16時間で鎮痛を必要とする患者の割合(VRS≥2)は、2、10、および12時間で有意に低かった(P <0.05)

プレガバリン群では、抜管後 16時間の非経口オキシコドンの累積消費量が44%減少し、抜管から術後5日目までの総オキシコドン消費量が48%減少した。プラセボ群の方が、抜管までの時間は138分短く、CAM-ICUスコアは術後初日に有意に低かったが、MMSE:ミニメンタルステート検査(認知症)またはRASSに関して有意差はなかった。運動中の疼痛の発生率は、術後3か月のプレガバリン群で有意に軽減した。吐き気と嘔吐の発生率と制吐薬を服用している患者の数は、グループ間で差はなかった。

MMSE: http://www.shizuokamind.org/wp-ontent/uploads/2013/10/MMSE.pdf

結論:

プレガバリンの投与により、 心臓手術後のオピオイド消費量が減少し、術後初日のせん妄の発生率が減少し、プラセボと比較して抜管までの時間が増加した。術後3か月後、プレガバリン群の患者の方が、運動中の疼痛が軽減した。

私見

 筆者の働く心臓血管術後では、腸管抑制や血圧低下を懸念して、オピオイドの使用を躊躇うことがままあります。代わりに維持液500mlにNSAIDS一回量を混注し、数時間かけて投与するというまさかのプラセボに近い投与をすることもあります。

そんな時、ICU入室期間中の疼痛を減少させ、オピオイドの使用量が低く、吐き気などの症状が同じであれば、患者の苦痛緩和のために医師に提案する一助になるのではないかと思います。

抜管後の疼痛時のオキシコドン投与の割合

https://bjanaesthesia.org/article/S0007-0912(17)33187-2/pdf

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