ポイント
・対立仮説は反証されやすい
・そのため、帰無仮説を用いて証明していく
・帰無仮説が棄却されなかった場合の解釈には注意が必要。

皆さん突然ですが、「カラスは黒い」ということを証明するにはどうしますか?
おそらく、何匹ものカラスを見つけて証明するのではないでしょうか?

何を当たり前のことを言っているんだ、カラスは黒いに決まっているじゃないか。

と思う方ももちろんいると思いますが、実は白いカラスが見つかっています。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/481510/
※「カラス 白い」などググると出てきますが、ちょっと怖いので注意してください。

以上の結果から、「カラスは黒い」は証明できませんでした。

と意地悪な話はこれまでにして、本題に移ります。
カラスの例で示したように、「カラスは黒い」という仮説を前提にデータを取っていく場合、非常に珍しい白いカラス一匹のデータで、「カラスは黒い」ことに反証することができます。
これは研究でも同じことが言え、カラスの例のように、黒いことを示す証拠をあげる方法(対立仮説と言いいます)ではたった一つの違ったデータで、仮説が否定されてしまいます。
つまり、対立仮説は反証されやすい性質があります。

このような方法を避ける方法として、出てきたのが帰無仮説です。
帰無仮説とは、「カラスは黒くない」ということを前提にデータを取ってくることです。
そうすると、
「カラスは黒くないはずなのに、いつも黒いカラスを見る。」
→「実際に、黒いカラスを見る割合が多い」
→「カラスが黒くないという現象が起こる確率はかなり低い(P値<0.05)」
→「カラスは黒くない」のではなく、「カラスは黒い」と判断できる(帰無仮説を棄却)
となります。

とても回りくどい解釈の仕方ですが、多くの研究でこの帰無仮説がもとに行われています。
そして帰無仮説を棄却することで、「AよりもBが良い」ことをなどが示されているのです。

帰無仮説が棄却できなかった場合、注意が必要です。
せん妄予防に効果のあるA薬とプラセボを比較した場合、帰無仮説(A薬はせん妄予防に効果がない)が棄却された場合、「A薬とプラセボは同じ。」とはなりません。
あくまでも「A薬はせん妄予防に効果があるとは言えない」ということだけです。
なので、解釈には十分注意していください。
帰無仮説を棄却する際に使われる”P値”、これはまた来週にでも。

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