【KCCC文献紹介 第120弾:IntelliVent®-ASVを知る!!】

Bialais E, Wittebole X, Vignaux L,etal:Closed-loop ventilation mode (IntelliVent®-ASV) in intensive care unit: a randomized trial. Minerva Anestesiol. 82(6),657-68,2016.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26957117 lang=E

タイトル:集中治療室におけるクローズドループベンチレーションモード(IntelliVent®-ASV):無作為化比較試験

 今回は、先日KCCCに質問のあったIntelliVent®-ASVについて投稿します。まず、IntelliVent®-ASVについて説明しましょう。

 クローズドループベンチレーションモード(IntelliVent®-ASV)とは、「人工呼吸器が患者の状態(情報)を自ら取り入れて演算処理し、換気制御を行うことで、より高い同調性や呼吸仕事量の低減、人工呼吸器離脱への導きのみならず、患者の呼吸状態が増悪した際にも設定を調節し、医療者の負担を軽減してくれる機構」とされています。本モードは、ターゲット分時換気量やPEEPなどを設定すると、自発呼吸の有無にかかわらず最適な呼吸回数・一回換気量・自発呼吸への補助などが自動で決定されます。ターゲット分時換気量を設定するためには「年齢」「性別」「身長・体重」を入力することで理想体重が算出され、ターゲット分時換気量が決定されます。また、パルスオキシメータのSpO2とカプノメータのETCOを取り込み、設定酸素濃度・PEEPを自動決定します。

 今回の文献紹介は、クローズドループベンチレーションモード(IntelliVent®-ASV)と従来のモードの比較をおこなった研究になります。それでは読んでみましょう。

<要約>

背景:クローズドループモードは、換気設定を自動的に調整し、短時間で個々に応じた換気を提供します。このランダム化比較試験の目的は、48時間にわたってIntelliVent®-ASVと従来のモードの間で医療チームの安全性、有効性、および作業負担を比較することでした。

方法:48時間を超える人工呼吸器装着が予想されるICU入室患者を、IntelliVent®-ASVまたは従来の換気モードに割り付けました。すべての換気パラメータは呼吸ごとに記録されました。手動調整の数を医療チームの作業負荷と評価しました。安全性と有効性は、過去に定義された非最適換気と最適換気の範囲内で費やされた時間をそれぞれ計算することにより評価されました。

結果:80人の患者が分析されました。 48時間にわたる換気パラメータの中央値は、PEEP(IntelliVent®-ASV:7 [4] cmH2O vs 従来の換気:6 [3] cmH2O P = 0.028)およびPETCO2( IntelliVent®-ASV:36±7mmHg vs 従来の換気:40±8 mmHg P = 0.041)を除いて、両方のグループで類似していました。安全性は、IntelliVent®-ASVにおいて最適ではないPMAX(P = 0.001)を除くすべてのパラメータについて、IntelliVent®-ASVと従来の換気の間で同様でした。 IntelliVent®-ASVにおいてSpO2とVTが最適だった頻度は多く(それぞれP = 0.005、P = 0.016)、それらを除き2つの換気戦略間で有効性は同等でした。 IntelliVent®-ASVでは調整の合計数(P <0.001)、手動換気(P <0.001)は従来の換気に比べて少なかった。48時間にわたる変動係数は、従来の換気と比較して、最大圧力、吸気圧(PINSP)、およびPEEPに関してIntelliVent®-ASVの方が大きかった。

結論:IntelliVent®-ASVは、VT、RR、SpO2、PETCO2の観点から安全で効果的な換気を提供し、手動介入の必要性を減らした。PEEPとPINSPにおいては多くの変動を要した。

私見:IntelliVent®-ASVモードは、機械演算によって目標範囲となるSpO2やEtCO2、ターゲット分時換気量内にパラメータが落ち着くように設定を自動で変更していきます。その為、安全な管理が可能といえるでしょう。しかし、実際に使用してみるとSpO2測定不良などのセンサー不具合や装着不具合により、ウイニングに寄与しない時間が生まれることもあります。結局はアラーム対応や機器管理などで人的管理も継続して必要であることはいうまでもありません。メリットとしては、医師(もしくは主治医)が不在の集中治療室でも予定術後患者のウイニングが進むということがあります。文献で述べられている手動介入の必要性が減るというのも良い事でしょう。しかし、重症患者への適応としては未だ議論が必要な部分だと思います。集中治療医が動脈血ガスやバイタルサイン、胸部CR、水分出納バランス、身体所見などを総合的に評価して設定を行う方が良いのか、はたまたそうではないのか。個人的にも知らない部分ですので、他の文献にも目を通してみたいと思います。(私知っているよ!!という方がいれば是非教えてください。集中治療医は臨床でどう判断して使用しているのかなども知りたいところですね。)

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