<KCCC文献紹介 第121弾:対応が困難な学習者は、何が困難なのか?>

生涯学習や継続教育という言葉は、対人援助職では至極当たり前に使われています。

医療職者の多くは国家資格を取得した上で臨床で活躍をしていますが、免許を与えられることが一人前の称号ではないことは、医療職者でなくとも周知のことでしょう。だからこそ、継続的に教育が必要になるわけです。

このページで投稿をご覧になっている皆さんも、何かしらのカタチで教育に携わっておられるのではないでしょうか。

昨今、教育を話題にしたとき「対応が困難な学習者」という言葉をよく耳にするようになりました。

「教えても、教えても、うまく相手に伝わらない…」「何を考えているのか分からず、どう教えたら良いのか分からない」

学習者への対応に困難さを感じたとき、その学習者に対して「この人は学習困難者だ」というレッテルを貼ってしまっていることはないでしょうか?

川上ちひろ 他(2015) 問題をもつ学習者の “問題” とは何か:系統的文献検索. 医学教育 46(4), 365-371

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/46/4/46_365/_pdf/-char/ja

今回ご紹介する文献は、対応が困難な学習者に対して、教育者は何を困難と考えているのか?を、

① “問題をもつ学習者”を表す用語の定義・説明を集約する

② “問題をもつ学習者”のその問題を隠仕事に分類する

ことで見える化をしてくれているものです。

リンク先の表2をご覧いただくだけでも、「対応の困難さは、必ずしも学習者自身の問題だけではない」ことがよくお分かりになると思います。

教育者と学習者との関係では、基本的に学習者の方が弱い立場にあります。このとき、学習者に貼られた間違ったレッテルは、学習者の学びを阻害するだけでなく、教育者-学習者の関係性を悪化させることにもなります。また、不用意に貼られた(貼ってしまった)レッテルは、ときに倫理的な課題も孕みますし、ハラスメントの問題にもつながります。

どんなカタチであれ教育に携わることがあるのなら、自分たちが「何に対応の困難さを感じているのか」を、一歩立ち止まって考えることを忘れてはならないのではないでしょうか。

Follow me!