【バイアス・交絡、わかりません!・・・という方に。-用語の説明から解決法まで-】

研究論文を読んでいたり、話をしたりしていると、バイアス・交絡という言葉が、よく出てきます。
(たまに混同して使用している方もいますが、、、)
このような言葉は、測定をする際に起こる「真の値との差=”誤差(正確には系統誤差)”」を指しています。
真の値(真実)を知るために、研究計画を行い、測定したのに、誤差が起こることで、真実が歪んでしまったら大変ですよね。

そこで、重要となってくるのが、バイアス・交絡(この2つを合わせて系統誤差と言います)という言葉です。
バイアス・交絡は一貫して、ある一方向に誤差が起こるという特徴があり、過大評価・過小評価が起きてしまいます。
バイアスには色んな種類があり、バイアス・交絡、わかりません!という方に取っては、非常にややこしく感じますね。
バイアスは最低限として、以下の2つの大きなバイアス覚えておくといいでしょう。
①選択バイアス
②情報バイアス

つまり、論文を読むときや、研究計画をする際には、
①選択バイアス

②情報バイアス

③交絡

を考えてみる必要がありあます。

それでは、一つずつ説明していきましょう。

1.バイアス・交絡の説明バイアス・交絡の説明

①選択バイアスとは、研究対象者を選ぶときに起こる偏りです。
選択バイアスでは、セッティング(場所)の決定時、対象者の対象基準・除外基準の段階、対象者をリクルートする時に起こるので、注意が必要となります。
例えば、成人男性を対象に血圧の調査を行ったとしましょう。
対象者の募集を都市部で行うのか、地方で行うのかによって、対象者の年齢層が異なるため、象集団の特性が異なってきます。
また、対象者を募集する際、SNSなどで募集すると、インターネットが使用可能かつ健康への関心が高い成人男性が対象となりやすく、比較的若い成人男性が多い集団となり得ます。
そのため、健康への関心が少ない成人男性や高齢者の脱落が多くなってしまいます。
選択バイアスが生じると、要因あり群と要因なし群に差がないにもかかわらず差があるという結果になったり、逆に差があるにもかかわらず差がないという結果になったりする可能性があり、適切な比較が困難になるという点で問題となってしまいます。

②情報バイアスとは、要因や結果を測定する時に起こる偏りです。
例えば、要因の有無を測定者が知っているのか、知っていないのかで、結果の診断や測定が異なってくることがあります(診断バイアス)。
数日間、マイナスバランスが持続しており、血圧が低下している患者を目の前にした時、循環血液量の低下などの疑い、慎重に評価してしまうため、実は収縮力の低下が原因であっても、”循環血液量の低下”を評価されてしまいやすい傾向があったりします。
他にも、質問者の質問方法などで起こる場合(質問者バイアス)や、過去の出来事を思い出しやすいか否かで起こる場合(思い出しバイアス)などがあります。

③交絡とは、要因と結果の両方に影響してしまい、要因によって結果が起きたのか?などの因果関係が分からなくなってしまう現象です。
例えばICUでのせん妄発症の有無を要因に、6ヶ月後の死亡率を結果として調査したとしましょう。
その結果、「せん妄発症群は、せん妄発症なし群と比べ、有意に6ヶ月後の死亡率が高かった。」
という結果を鵜呑みにしても良いでしょうか?
せん妄を発症するような患者はもともと重症度が高く、高齢者であったり、、、と、もともとの死亡のリスクも高くなりそうですよね?
つまり、「ICUでのせん妄の発症の有無」という要因と、「6ヶ月後の死亡」という結果の両方に、”重症度”、”高齢者”という因子(交絡因子)が交じり絡まって、因果関係が分からなくなってしまっています。

2.選択バイアス・情報バイアス・交絡の対処法

①選択バイアスと②情報バイアスは、データ収集後に対処することができないため、研究デザイン(研究計画)時に制御しなければなりません。
③の交絡は、ランダム化するなどの研究デザインで制御する方法と統計解析で調整することで対処していきます。

以上が、バイアス・交絡の説明と対処法です。
研究をやっていると、統計手法に注目されがちですが、いかに研究デザイン(研究計画)が重要かということが分かりますね。

誤差には今回説明した系統誤差と偶然誤差があり、統計手法は、今回説明した交絡や偶然誤差をいかに排除するか、という部分で重要となってきます。
ということで、次回は偶然誤差について説明しますね。

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