「PICS」はその概念が発表されてから、集中治療ケアにとって重要な課題だと思います。

これまで、PICS改善の改善を目的に様々な介入がされてきました!

今回は、PICSに対する非薬物療法介入の効果についてシステマティックレビューが公開されたので共有させて頂きます!

<ご紹介する文献>

Geense, W. W., van den Boogaard, M., van der Hoeven, J. G., Vermeulen, H., Hannink, G., & Zegers, M. (2019). Nonpharmacologic Interventions to Prevent or Mitigate Adverse Long-Term Outcomes Among ICU Survivors. Critical Care Medicine, 47(11), 1607–1618. 

http://doi.org/10.1097/CCM.0000000000003974

目的

PICSの改善を目的に実施された非薬物療法の有効性を検証すること

レビューを行ったデータソース:PubMed、CINAHL、PsycINFO、Embase、Cochrane Library

検索時期:検索サイトの発足から2018年7月19日まで

研究の選択基準:(非)無作為化臨床試験、前後介入研究、

アウトカム:病院退院後の患者の身体・精神・認知的アウトカム、QOL、社会的機能など

結果

データ解析: 17,008件の論文をスクリーニング

10件のパイロット研究を含む36件の研究(n=5,165名のICU入室患者)

介入方法:6つのカテゴリーに分類

1)運動および身体リハビリテーションプログラム(合計20件:介入時期が異なる)

2)フォローアップサービス(5件)

3)心理社会的プログラム(5件)

4)ICUダイアリー(3件)

5)情報と教育(2件)

6)その他の介入(3件)

アウトカム

■④ICUダイアリーの実施:うつ病、不安の軽減に関して有意差がみられた

 うつ病 (研究数:2件、対象者数88名、標準化平均差(SMD)0.68、95%CI、0.14~1.21)

 不安 (研究数:2件、対象者数88名、標準化平均差(SMD)0.44、95%CI、0.01~0.87)

 →HADS(うつと不安をスクリーニングするツールを用いて評価している)

■①運動プログラムの実施:健康関連QOLの内、精神的要素(SF-36 MCF)

(研究数:7件、対象者数:664、標準化平均差(SMD)2.62、95%CI、0.92~4.32 )

→SF-36(QOLに関する8つの概念を評価するもの:(1)身体機能 (2)日常役割機能(身体)   (3)体の痛み  (4)全体的健康感 (5)活力 (6)社会生活機能 (7)日常役割機能(精神) (8)心の健康))

結論

ICUダイアリー、運動プログラムを実施することが、メンタルヘルスに対してわずかではあるが改善効果があることが示された。

私見

メタアナリシスの結果からすると、非薬物的介入効果の有効性は低いとなる。しかしながら、非薬物的介入は薬物療法と異なり、方法を変えたり、複合的に実施することで相乗効果が生まれる可能性を秘めている。そのため、メタアナリシスの結果をうけて意味がないと思う必要はないと私は考えている。まだまだ、文献も少なく、今後も様々な研究の結果を受けて変わっていく可能性を秘めている。

個人的には「情報や教育」や病院内での実施だけではなく、退院後にも利用できるコンテンツの必要性を感じている。

また、「運動プログラム」は他の介入に比べて研究されている数が多かった。ICU入室前・入室中・ICU退室後、退院後と介入を行う時期も様々な研究が含まれている。リハビリテーション介入は直接身体機能にアプローチをするため、介入結果が出やすいように思うが、メタアナリシスの結果、「運動プログラム」は身体的機能改善(6分間歩行や酸素需要など)に対する有効性が認められない結果であった。これに関しても方法や介入期間、介入時期などをさらに調整を行っていく必要があるだろう。

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