【コラム111:ESPEN2019ガイドライン】

ESPEN(ヨーロッパ臨床栄養代謝学会)より重症患者の栄養管理に関するガイドラインが更新されています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0261561418324324
【参考文献】
Singer P et al. ESPEN guideline on clinical nutrition in the intensive care unit. Clin Nutr. 2019 Feb;38(1):48-79.

本邦では2016年に日本集中治療医学会より「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」が発表され多くの施設で臨床に応用されているかと思います。その時に参考にされた国際ガイドラインのひとつがESPEN-PN2009(ヨーロッパ臨床栄養代謝学会の静脈栄養ガイドライン)です。

今回54題の提言がされており、嚥下障害患者(挿管あり・なし、抜管後)、虚弱患者(フレイル・サルコペニア)、多発性外傷患者、腹部手術、敗血症、肥満などの提言も含まれました。

早期経腸栄養やunderfeedingは同様でしたが、個人的にインパクトがあったのが、
・栄養評価に、GLIM基準が採用されている、サルコペニアが含まれている
・48時間以上滞在している患者は低栄養のリスクがあるとみなす

元々の低栄養やサルコペニアを発症することにより患者のアウトカムに負の影響が出る可能性があると様々な報告が増えてきています。このガイドラインは海外の方が対象であり、BMIは日本人ほど低くはないけれどサルコペニアの危険性が述べられています。 日本人であれば、元々低BMIの高齢者が多いため低栄養になってしまうリスクはかなり高いと予測できます、そのため出来るだけ早期からの栄養介入が必須となります。

重症患者の栄養管理は、栄養改善を目指すのではなく機能維持が目標です。

そのためのキーポイントは、入室後出来るだけ早い段階からすべての患者に対し、栄養投与時期(48時間以内の開始)・栄養投与経路(消化管不耐症など禁忌項目を除き、できるだけ経口摂取、無理でも持続経腸栄養)・投与エネルギー量とタンパク質(1週間は目標エネルギー量の70%未満、タンパク質は1.3/kg/日)の3点を総合的に検討する必要があります。特に低栄養、高齢者、48時間以上滞在している患者に関しては必ず栄養管理が必要です。

また詳しい中身に関しては今後ふれていきたいと思います。 日本版の栄養ガイドラインのアップデートも待ち遠しいですね。

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