<偶然誤差ってなんだ?>

みなさん、新年はどのようにお過ごしでしょうか?

さて前回の医療統計のコラムでは、系統誤差について説明しました。系統誤差とは、測定などで得た結果が、ある一定方向に偏ることを指し、バイアスや交絡がこれにあたると説明しました。

では、偶然誤差はと何でしょうか?
結論から言うと、その名の通り、「偶然に出た誤差」のことだと言えます。
今回は偶然誤差について説明していきます。

 みなさんが血圧を測定したとしましょう。測定のタイミングや測定者、使用する血圧計を同じにしたとしても、果たして毎回同じ測定結果が得られるでしょうか?

おそらく、ほとんどの場合、異なった結果が得られると思います。血圧に真の値があることを前提にすれば、真の値と毎回異なる値は誤差となり、これを偶然誤差といいます。

この偶然誤差には、測定などで得られた結果が一定の方向に偏らずランダムに起こると言う、系統誤差との違いがあります。

 この偶然誤差は研究の至るところで起こります。その中でも、対象者を選ぶ段階と、要因やアウトカムを測定する段階が特に重要です。

 対象者を選ぶ段階として重要なのが、サンプルサイズ(研究対象者)です。臨床研究では、真の結果は誰にもわかりません。そのため、研究対象者から得られた結果を元に真の値を推定することになります。サンプルサイズ(研究対象者)が少ないと、研究対象者それぞれの値はバラツキが大きくなり、真の値との誤差(偶然誤差)が大きくなってしまいます。一方で、サンプルサイズ(研究対象者)が大きいと、バラツキは小さくなり、真の値との誤差(偶然誤差)は小さくなります。そのため、対象者を選ぶ段階、サンプルサイズは偶然誤差を制御するために重要だと言えます。

 要因やアウトカムを測定する段階では、測定する精度が重要となってきます。血圧を測定するにしても、精度の悪い血圧計ではバラツキが大きくなりますね。一方で、精度の良い血圧計では、誤差は少なく、真の値からバラツキが少ない値を得られることができます。そのため、測定する精度も非常に重要です。

系統誤差と偶然誤差について説明してみましたが、いかがでしょうか?

よく聞く、“バイアス”、“交絡”だけに注意するだけでなく、偶然誤差にも注意して論文を読んだり、研究をデザインしていく必要がありますね。

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