コラム125:体重測ってますか?

この時期、なかなか乗る気になれないけれど・・・乗ってしまいやっぱり後悔しませんでしたか?
そうです、体重計ですよ。お正月のoverfeedingの影響を受けていませんか?
この時期、一度増えるとなかなか減らず、年々大きくなっています・・・。

体重は入院患者にとって重要な指標になります。
みなさんの施設では、どのくらいの頻度で測定していますか? 当院では未だ入院中に一度も測定されていない、測定はしたけれど記録に残していないなど体重測定に関する意識は必ずしも高いとは言える状況ではありません。また、体重測定はしているけれども、その日の測定値を入力しているだけで体重の推移まで見ておらず、気がつけばビックリするほどの体重減少があった事例も起きています。

最近では栄養評価やサルコペニアの指標、その他にも特に体液バランス、人工呼吸器の設定、薬剤の投与量を決定するためにも重要な指標となります。また栄養管理計画書への記載も必要となり、入院時には必ず情報として把握しておく必要があります。

最近では、サルコペニア(骨格筋減少症)があることで抜管が困難になると報告もされています。その他に死亡率の上昇や合併症など、体重が減少することで重症患者には様々な悪影響が起こります。

体重と言っても色々な指標があります。現体重(BW:Body Weight)、通常体重(UBW:Usual Body Weight)、理想体重(IBW:Ideal Body Weight)、BMI(Body Mass Index)、ドライウエイト、予想体重、体重減少率など、その使い方によってもアセスメント内容が変わってきます。
また計測方法も、立位で測定する方法、ベッドスケール、吊り下げ式(リフト式)体重計、椅子型体重計、車椅子で測定、予測式で算出など様々です。
どの指標をどうやって測定し活用するのかはそれぞれの看護師の技とも言えるかもしれません。なぜなら、できるだけ誤差がなく計測することで治療方法が決まることもあります。もし、その測定値が間違っていると大きな事故につながることさえあります。

JSEPTIC臨床研究委員会が2011年に行ったアンケート(回答者数115名)では、ほとんどの施設で体重測定は実施されており(全く体重測定を行わない:6%)、ベッドスケールか吊り下げ式体重計を使用されているようです。そのため、1人で計測ができず複数の看護師で測定しており、業務的な負担を感じているという意見もあります。またルート類の事故抜去などのリスク発生もあり安全性も確立されたケアではありません。
測定することは臨床上の意義は大きいと思いますが、その測定値をいかに活用するかは看護師だけではなく医療者全員が考えないと患者にデメリットを与えてしまいかねません。

毎日測定するのか?誤差を少なくする方法は?事故リスクを軽減するには?業務負担にならない測定方法は?など疑問・検討内容は多くあります。必ずしも毎日測定する必要はないかと思いますが、その患者の状態やステージや業務状況などによって適切な測定時期を考える必要があります。また、「なんか痩せてない?」「この患者さん痩せてるよね?」などの看護師の直感も大切で、患者を24時間看ている看護師だからこそ気がつくタイミングなのかもしれません。
まだまだこれから測定間隔、測定方法など体重測定に関する様々な研究が発表される分野かもしれませんね。

参考文献
1) Woo HY, et al, Evaluation of the association between decreased skeletal muscle mass and extubation failure after long-term mechanical ventilation. Clin Nutr. 2019 Dec 14. PMID: 31917051
2)JSEPTIC臨床研究委員会, 簡単アンケート第六弾:体重測定, 2011年8月実施
http://www.jseptic.com/rinsho/pdf/questionnaire_110825.pdf
3)JSEPTIC臨床研究委員会, 簡単アンケート第32弾:水分バランスの計算法と体重測定の方法, 2013年11月実施
http://www.jseptic.com/rinsho/pdf/questionnaire_131130.pdf

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