前回、ICUのせん妄発生率について調査の依頼を受けた、プリ セプ太。

せん妄の発生率の調査方法を勉強していると、”有病割合(Prevalence)”、”発症割合(Incidence)”、”発生率(incidence rate)”に違いがあることがわかりました。

それを踏まえ、師長と相談することにしました。
プリ セプ太:「師長さん、せん妄発生率の調査についてなんですが、ちょっと時間がかかりそうで・・・」
師長さん:「毎日、記録してるんだし、すぐにわからないの?」
プリ セプ太は、”有病割合(Prevalence)”、”発症割合(Incidence)”、”発生率(incidence rate)”の違いについて、師長さんに伝えました。

師長さん:「厳密に言えば、発生率って難しいのね。有病割合だと信頼性もなさそうだし、”発症割合(Incidence)”と”発生率(incidence rate)”調べてみたらいいんじゃない?」

プリ セプ太:「(°▽°)」

師長さん:「発症割合なら、”せん妄を呈した患者÷1ヶ月間のICU入室患者数”、
発生率なら、”せん妄を呈した患者÷追跡したICU患者の滞在日数の合計”、
なんだから、1ヶ月調査して、せん妄患者数、ICU入室患者数、ICU入室患者の滞在日数がわかれば、計算できるでしょ?ついでに、この間言ってた、自己抜去も増えているし、せん妄になることでの、自己抜去のリスクってどれくらいなんだろう?」

プリ セプ太:「確かに。それはとても気になりますね!ちょっと調べてみます!」

元気よく返事をした、プリ セプ太。
さて、皆さんなら、どのようにせん妄になることでの、自己抜去のリスク、どのように調査しますか?

そもそも、リスクとはなんでしょうか?リスクとは、要因を受けた(もしくは受けていない)群の中で出来事が起こる割合で示すことができます。

と言っても難しいので、例を考えてみましょう。

では、プリセプ太が調査を行い、以下の結果だったとしましょう。

この場合、せん妄ありで、自己抜去を起こすリスクは、
せん妄あり群で自己抜去ありだった患者20名÷せん妄あり群の合計30名=0.67

せん妄なしで、自己抜去を起こすリスクは、
せん妄なし群で自己抜去ありだった患者20名÷せん妄あり群の合計70名=0.29

となります。

しかし、多くの方はそれぞれの群のリスクを知りたいわけではないと思います。
つまり、多くの方は、


せん妄あり群はせん妄なし群と比べ、何倍リスクが高いのか?

ということを知りたいのではないでしょうか?

”何倍”なのか?これを知るのであれば、割り算をすればいいですね。

つまり、
せん妄ありで、自己抜去を起こすリスク÷せん妄なしで、自己抜去を起こすリスク
で求めることができます。

例をもとに計算してみると、
0.67÷0.29=2.31

となります。

この調査結果から、
「せん妄あり群はせん妄なし群に比べ、自己抜去のリスクが2.31倍高い。」

と、解釈することができます。

そして、この割り算から求めれた値を”リスク比”と言います。

このリスクやリスク比という言葉は、KCCCが提供している文献紹介でもよく見かけると思います。
文献を読む際や、このような文献紹介を見かけた時はリスク比の解釈などを考えながら読んでみてくださいね。

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