Dres M, Jung B, Molinari N,et al:Respective contribution of intensive care unit-acquired limb muscle and severe diaphragm weakness on weaning outcome and mortality: a post hoc analysis of two cohorts.Crit Care,21;23(1):370,2019.

人工呼吸器離脱や死亡率に対するICU-AW(集中治療に関連した筋脱力)とICU-DD(集中治療に関連した横隔膜脱力)それぞれの要因

背景:ICU-AWおよびICU-DDは、人工呼吸器装着患者で頻繁に発生している。それらが異なるリスク要因と異なる結果への影響を持っているかどうかは分かっていない。この研究は、(1)ICU-AWおよび重度のICU-DDに関連するそれぞれの危険因子を明らかにし、(2)結果に対するICU-AWおよび重度のICU-DDのそれぞれの影響を評価するように計画された。

方法:2つのICUで実施された2つの前向きコホート研究の事後分析をおこなった。最初の自発呼吸トライアル(SBT)を受けて、少なくとも24時間人工呼吸換気された患者で、重度のICU-DDは横隔膜収縮圧<7 cmH2Oと定義され、ICU-AWはMedical Research Council Score <48(満点は60点)と定義された。

結果:116人の患者が評価された。重度のICU-DD単独で41%、ICU-AW単独で28%、両方ともに存在するのは29%だった。重度のICU-DDに独立して関連する要因は、年齢、人工呼吸器装着期間、およびスフェンタニルへの曝露であり、ICU-AWに関連する要因は、人工呼吸器装着期間およびノルエピネフリンへの曝露だった。 ICU-AWはみとめないが重度のICU-DDだった場合、人工呼吸器離脱失敗と独立して関連していた(OR 3.56、p = 0.008)。 重度のICU-DDをみとめないがICU-AWだった場合、ICU死亡率と関連していた(OR 4.30、p = 0.033)。重度のICU-DD単独だった場合(人工呼吸器離脱失敗64%、死亡率0%)や、ICU-AW単独だった場合(人工呼吸器離脱失敗63%、死亡率13%)に比べ、重度のICU-DDとICU-AWの両方該当する患者の場合、人工呼吸器離脱失敗と死亡率はそれぞれ86%と39%と高かった。

結論:

重度のICU-DDとICU-AWは、人工呼吸器離脱失敗と死亡率に関して、異なるリスク要因と異なる影響がある。ICU-DDとICU-AWの両方が存在する場合の影響は、個々の影響よりも顕著であった。

私見:最近、自施設で人工呼吸器離脱が達成されないまま一般病棟に退室する症例が続いており、毎日のように一般病棟に足を運んでいます。本日は、要因の一つである呼吸筋疲労の影響について調べてみようと思いhitしたものを挙げてみました(この文献では≒横隔膜神経筋減弱)。日本国内では合成オピオイドである“スフェンタニル”は使用していないので、結局は人工呼吸器装着期間が長い患者は呼吸筋疲労を起こしやすいという当たり前のことを再確認しました。 私見として、このような患者はそんなに珍しくない頻度で存在し、集中治療後にも継続して質の高いケア介入が必要だということが改めて理解できます。療養環境問わず横断的に患者に介入し続けられるリソース(家族、医師、療法士、臨床工学技士、リソースナース)を軸に、管理栄養士や薬剤師を効果的に巻き込むことの必要性を感じました。そのうえで、原疾患の治療(高炎症状態からの回復)、適切な離床、栄養管理、せん妄症状の改善(薬理学的介入、非薬理学的介入)など包括的な介入で患者の生活行動の再獲得を目指さないといけないなと再認識する次第です。

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