【コラム141:特定行為看護師のンピテンシーとは?】

 自施設で特定行為研修の指導者を担っているのですが、その中で特定行為研修受講生に「特定行為を学ぶということは看護の上積みである!!」ということを、しっかりとディスカッションしてもらうために9コマの時間をもらっていました。その中では看護の専門性とは?特定行為のアウトカムとは?特定行為研修を修了したときにできること・できないことは?など、様々なディスカッションをしました。本日はその中の一つ、「特定行為看護師のコンピテンシーとは?」について少しお話ししようと思います。

 まず、コンピテンシーって何?というところからですが…

  • 特定の状況のもとで、特定の目的を達成するために、特定の成果を生み出すことができる力という行動特性を表した実践的な概念。(人材マネジメント用語集)
  • コンピテンシーとは:単純には「能力」の意味ですが、人事用語としては、優れた業績を上げている人の「行動特性」を指します。(人事労務用語辞典)

 上記のように述べられています。実は、特定行為自体が走り始めたばかりですのでコンピテンシーなんぞ定められていません。ゆくゆくは、高度実践を積み重ねる素晴らしい特定行為看護師たちの思考や実践が形になり、コンピテンシーモデルとなって世に広がっていくのだと思います。そういうことなので、まだ特定行為看護師のコンピテンシーは学ぶ必要がないかというと…そうではないですよね?「特定行為」だけできたら良いかといわれるとそうではありませんよね。

 現在、特定行為看護師は認定看護師制度と抱き合わせになっています。これについては、特定行為を1行為でもとれば良いという賛否否否否否否否否否否両論ありますが…(※個人の見解です)。ということは、全国的に広がっていく特定行為看護師の質を揃えるためにも、認定看護師のコンピテンシーは学んでおく必要があると考えます。

認定看護師規程改正後(2019年7月15日から施行)の役割は、以下の通りです。

  • 個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
  • 看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
  • 看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)

 特定行為看護師は、高い実践能力は有しているので、臨床現場での指導、相談というコンピテンシーが必要になります。臨床現場での指導(※)は一朝一夕で獲得できるものではないので、今年度は「相談(コンサルテーション)」について講義+演習をおこないました。

※臨床現場での指導について体系的に学べる「教え方スクール」というセミナーがあります。

 コンサルテーションについてですが、Caplanによれば、「コンサルテーション」とは「専門職である2人の間における交流」と定義されています。ここでいう2人とは、コンサルタント(Consultant)とコンサルティー(Consultee)であり、そのうちコンサルタントとは、卓越した能力を備え、コンサルテーションを提供するものであり、コンサルティーとは、仕事に関連する困難な問題をどのように扱うべきかについてコンサルタントの援助を受けたいと自ら希望してコンサルテーションを受けるものを指します。コンサルテーションの前提条件は以下です。

  • コンサルタントとコンサルティーに上下関係はない。
  • コンサルタントは、問題を正確に把握しコンサルタントの専門的能力を持ってコンサルティーを援助する責任がある。
  • どのような種類のコンサルテーションでも、クライアント(患者)のケアの責任はコンサルティーにある。
  • コンサルタントのアドバイスを受け入れるか否かは、コンサルティーの自由意志である。

実際の講義+演習内容は長々となるので書きませんが、高度実践をする特定行為看護師は、臨床で悩んでいることの「相談」を受けることが多くあると考えます。その時に、正しくコンサルテーションを理解して相談を受けられるかどうか…それだけで声のかけやすさ、信頼関係の構築、コンサルテーション件数の増加、などに繋がりそうですね。



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