【コラム143:人が定着する職場とは?】

 昨今、さまざまな業界で人手不足が深刻化してきています。各企業の採用試験もどんどん早まってきているため、企業はより多くの採用人数を確保するために採用手法を見直すなど、様々な手段をとっています。それは医療・看護においても例外ではありません。しかし、企業・病院側のそのような苦労も知る由もなく、数年で退職する従業員も少なくありません。

 看護師の離職に関しては、「2018年病院看護実態調査」の中で、2017年度の正規雇用看護職員の離職率は10.9%で2010年度以降ほぼ横ばいの状況になっています。(日本看護協会)。2014年の厚労省による雇用動向調査では、都道府県別の年間離職率平均は10%台後半であり、決して高い数値ではないかもしれません。しかし、離職率が多いと、その分新たに人材を採用し、育成しなければいけないため、その分の時間と費用が必要になります。その点では離職者が少ないに越したことはないかもしれません。

 最近では、厚生労働省が「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」で、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い企業ほど、新入社員の定着率が高く、離職率の成績も良く、個人の労働生産性を感じる割合も高いという報告をしています。

 さらに、このワーク・エンゲイジメントを高めるための雇用管理においては、「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」が重要な要因であることが明らかになっています。医療界では、医療の直接的な受け手である患者満足度調査(CS)は多く実施され、学会などで発表されることも多いです。しかし、従業員満足度(ES)についてはいかがでしょうか。ちなみに私は聞かれたことがありません・・・(涙)

 看護師(従業員)に定着してほしいと思ったときには、定着したいと思えない理由を本人達に聴くのが一番早い気もします…(どんな意見が出るか怖いのも少しわかりますが)

しかし、そんなことを恐れていては人が定着する組織なんて作れません。まずはESを調査し、従業員の考えや思いを「見える化」することが大事かもしれません。そして、その結果を真摯に受け止め、すぐに従業員にフィードバックすることが重要だと思います。フィードバックがなければ、何のための調査だったのかという不信感にもつながりかねません。しかし、そのフィードバックを受けた従業員は他者からは見えない「何か」を感じるかもしれませんね。そして、その見えない「何か」を「見える化」することで、人が定着する職場にできない真因が見えるかも!?

参考資料:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/19-1.html



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