【コラム146 シリーズ低血糖 part1 − 低血糖の対処はブドウ糖だけ?】  

 皆さんは臨床現場で低血糖に遭遇したことはありますか?低血糖の対処法といえば、皆さん間違いなく「ブドウ糖」と答えると思います。が、対処方法は「ブドウ糖」だけで大丈夫なのでしょうか。今回の内容は皆様には基本的すぎるかもしれませんが、低血糖の対処方法について説明したいと思います。  

 まず、低血糖についておさらいです。低血糖というのは一般的には血糖値が70mg/dL以下になることです。よくある症状としては、動悸、手指の震え、冷汗があります。しかし、これらの症状は出たらアウト!?というわけはありません。これらの症状は、これ以上血糖値が下がったら危ないよ、という自律神経による警告症状です。なので、このときに正しく対処すれば問題はないことが多いです。血糖値が下がって50mg/dL以下になると、中枢神経にまで影響し、意識障害などの症状が出現します。救急外来などで出会う症状はこの中枢神経による症状が多いと思います。図を参考にしてください。  

 それでは本題です。低血糖の対処方法は「ブドウ糖」で間違いないです。血液中のブドウ糖の濃度が血糖値なのだから当然上がりますよね。ブドウ糖を経口で10g、意識のない場合は静脈注射で50%ブドウ糖注を20ml(ブドウ糖10g)投与します。ブドウ糖10gでおおよそ50mg/dL上昇します。「いやいや、低血糖の時にブドウ糖10g投与したけど、それ以上に上がったよ!」っていう方もいると思いますが、これはカテコラミンなどの血糖値を上げるホルモン(カウンターホルモン)による影響で、予想以上に上がっている状態です。少し話はそれましたが、低血糖には「ブドウ糖」です。

 では、手元にブドウ糖がない場合はどうしましょう。その時は、ブドウ糖の入ったジュース150〜200ml(だいたいコップ一杯)や、スティックシュガーなどの砂糖20gで説明します。それもないとなったら、仕方がないので飴やチョコレートでも良いです。実は飴やチョコレートは低血糖の対処方法としては正解ではありません。飴は溶けるまでに時間がかかり、チョコレートは油が入っているため血糖値が急速に上がってくれないのです。補足ですが、ダイエットコーラなどの人工甘味料の飲み物は、ブドウ糖ではないので全く血糖値が上がりません。低血糖の対処方法としては注意が必要です。  

 あともう一つ、低血糖を起こしてから次の食事まで時間が空く時はどうでしょうか。実はブドウ糖というのは血糖値を上げる瞬発力はありますが、持続力がありません。なので、次の食事までに時間がある時は再び低血糖になることがあります。救急外来に低血糖で運ばれてきた患者さんにブドウ糖だけ投与して、「血糖値が上がった、これで大丈夫だ。」と、帰宅させることは多くないですか?帰宅後食事をとらないと再び低血糖になります。なので、後の食事の予定を確認した方が良いです。食事までの時間が空く時は、先ほど低血糖にはあまり向かないといったチョコレートやクッキーなどをとってもらいましょう。糖質に脂質が含まれたものは、血糖値を上げる瞬発力はありませんが、持久力があります。  

 以上、本当に基本のことばかりで申し訳ないのですが、低血糖について説明させていただきました。この低血糖についてはシリーズにしようと思います。今後はもう少し皆さんにとって刺激的な話になればと思います。



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