〈KCCC文献紹介 第142弾:その遊具・おもちゃ、本当にキレイですか?〉

Rishi Desai, MD, MPH, Pia S. Pannaraj, MD, MPH, Jaclyn Agopian, BA, et al. Survival and transmission of community-associated methicillin-resistant Staphylococcus
aureus from fomites. Am J Infect Control, 2011, 39 (3) :219-225.

【背景】
市中型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA-MRSA)のアウトブレイクには、媒介物からの CA-MRSA の伝播が重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、MRSA 伝播の程度および期間については定量化されていない。


【方法】
9 種類の媒介物(カミソリ、プラスチック製のおもちゃ、セラミック、石けん、木片、ビニール、タオル、ベッドシーツ、肩パッド)からの CA-MRSA 株USA300-0114 の生存および伝播を評価した。媒介物に接種し、5 分後、1、2、3、7、および 10 日後、およびそれ以降は週 1 回の間隔で 10 週後までのサンプルを、滅菌した豚革(ピッグスキン)に短時間押しつけ、菌を回収した。

同様の実験を 2 種類のMSSA株および 3 種類の医療関連MRSA 株を用いて、一部の媒介物に対して実施した。

【結果】
細菌は、石けんを除くすべての媒介物から皮膚への伝播可能であった。伝播の程度は経時的に低下したが、低下速度は多孔性の媒介物(タオルなど)のほうが無孔性の媒介物(ビニールなど)よりも急であり(P = 0.0002)、一部の媒介物では汚染から 8 週後以降も伝播がみられた。CA-MRSA 株の伝播期間は 医療関連MRSA 株(P < 0.0001)および 1 種類の MSSA株よりも長期であった。

【結論】
CA-MRSA 株は種々の媒介物から皮膚に伝播し、汚染された無孔性媒介物は汚染から数週後も伝播が可能であった。医療関連MRSA 株の伝播期間は CA-MRSA 株よりも短期であった。
今回の所見は、CA-MRSA 感染の予防に意義があると考えられる。


【私見】
皆さんがなんとなく気になっているであろう、クリニックや薬局に置いてある共有のおもちゃや絵本。
やはり、汚染されているものであれば、皮膚への汚染は当然起こり得るということを調査した貴重な研究です。いずれにせよ、共有物は清拭や消毒できるものに越したことはないということだと思います。
現在は COVID-19 のため、米国の NY などでは公園の遊具も「自己責任で遊んで下さい」と明記されている状況だとお伺いしています。
正しい感染対策の知識を備え、自分をはじめ、大切な人達を守りたいですね。

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