<コラム158:その検査の精度、本当に高いですか?-ROC曲線下面積の話->

みなさん、こんにちは。

先日は、感度や特異度、陽性適中率などについて説明しました。
本日は、それに関連したROC曲線下面積について説明します。

ROC曲線下面積、別名AUC(area under the curve)とも言いますが、この言葉、聞いたことあるでしょうか?
感度などに比べ、あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、検査の精度を示す、非常に大事な言葉です。
感度や特異度などは、検査の精度、そのものを表しているわけではありません。

前回の感度や特異度の話を思い出してみましょう。
感度は、「”ある疾患などを持つ人”が”検査”をして”陽性”と判定される割合」でしたね。
ここでちょっと立ち止まってみてください。
そもそも、”陽性”とはどうやって決まるのでしょうか?

「陽性」か「陰性」か判断するのには、ある一定の基準点があると思います。
例えば貧血は、ヘモグロビン○g/dl未満であれば貧血と診断されるように、検査にもこのような基準点があります。
そして、この基準点のことを”カットオフ値”と呼んでいます。
このカットオフ値を境にして、陽性、陰性を決めているのです。

そこで用いられるのが、ROC曲線とROC曲線下面積です。
下の図を見てみてください。この図は筆者がテキトーに作った架空のデータで描いたROC曲線です。

この架空のデータには、点数が高いほど、疾患ありと判断されやすい特性のある検査(0-100で評価)データと、疾患の有無が含まれています。

このROC曲線には、この検査結果を0-100の間で移動させた際の、感度と特異度が記載されています。
縦軸が感度、横軸は特異度です(文献などによっては”1-特異度”と記載されている場合もあります)。

このROC曲線上に、”55.000(0.958, 0.840)”と記載されていますね。
この”55.000”がカットオフ値となります。
そして”0.958”は特異度、”0.840”は感度です。
このカットオフ値は、示されている特異度+感度が最大値になる点で決められています。

ここで、本日のトピックであるROC曲線下面積はというと、文字の如し、ROC曲線の下の面積(斜線部分)を言います。

そして、このROC曲線下面積が最大となった値が、ROC曲線下面積です。
架空のデータを解析した結果、ROC曲線下面積は”0.912”でした。

この値の解釈ですが、以下のように解釈します。

高い精度:0.9-1.00 

中等度の精度:0.7-0.9 

低い精度:0.7-0.5 

つまり、この架空のデータの結果では、この検査の精度は高い精度であると評価できますね。(高くなるようにしているので、そうなるのですが、、、笑)

以上が、ROC曲線下面積の説明とその解釈です。

ちなみに、統計解析で示されるカットオフ値はあくまでも解析結果であり、感度が低く(疾患が”あり”なのに、検査結果では”なし”となる場合)、それが致命的になる場合は、感度を優先するなど、臨床的に判断することが良いとされるようです。

容易に解析結果のみを信じるのは注意で、常に臨床と照らし合わせながら解釈することが必要ですね。

参考図書・参考サイト
今日から使える 医療統計 
EZRでROC曲線を描いてカットオフ値を算定する方法


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