<コラム159:看護師の倫理的感受性について>

 皆さんの施設もしくは部署では、倫理的問題を未然に察知して医療チーム内で情報共有し、問題が起こらないようにモニタリングを継続し、然るべきタイミングで倫理カンファレンスを開催して介入に繋げることができていますでしょうか?

 いつもできていますよ、という組織はなかなかないのではないのではないでしょうか?医療者は、現在猛威を振るっているコロナウイルスをはじめ、常に何かしらの課題や止むことのないタスクに追われているため、日々の業務の中で倫理的問題に気づいて、立ち止まることが難しい場面もあると思います。そのような中、スタッフの倫理的感受性を高めるために、多くの施設で多職種もしくは単一の職種による院内倫理研修やカンファレンスの励行、抑制ゼロにするための活動などがおこなわれていると思います。では、それらの成果がどうであったかをどのように評価しているでしょうか?

 このような評価のひとつとして参考になりそうな文献のひとつに、「臨床看護師の倫理的感受性尺度の開発と信頼性・妥当性の検討(日本看護倫理学会誌.2018)」(http://jnea.net/journal_item/journal/1001/img/10-1_36-44.pdf)が挙げられます。今までも、倫理教育の成果を測る尺度は海外で開発されていましたが、それはMoral(道徳)を図るものでした。道徳と倫理は、似て非なるものだと言われています。簡単に筆者の解釈を述べますと、道徳は人間が生活の中で獲得していく善悪の判断のようなものです。対して倫理は、社会のルールや規範・法律などのような指針を背景に検討される善悪の判断のようなものです。倫理を説明する中では、道徳観(個人的価値)のようなものも包含されるので解釈が難しいと思われる人もいるかと思いますが、簡単に述べるとこのような解釈だと考えます。

  実際の臨床で私たちが検討し続けないといけない倫理ですが、倫理教育や普及の結果スタッフがどう変化したかという評価は、意外にできていないのではないかと思います。どうやら、評価をする方法はアンケートや事例の積み重ね以外にもあるようです。紹介した論文の中でも、「個人の倫理観や倫理的感受性の状態について振り返るツールとしても、また継続看護教育において組織の看護倫理教育やサポート体制の評価にも活用することができると考える」と述べています。自身、今まで明確な指標をもって評価していませんでしたので、組織における倫理的感受性の評価を継続的に考えてみようかなと感じています。


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