【KCCC文献紹介 第153弾:日本における小児Rapid Response Systemの疫学調査】

Taiki Haga et al. The prevalence and characteristics of rapid response systems in hospitals with pediatric intensive care units in Japan and barriers to their use. International Journal for Quality in Health Care, 2020, 1–7.

【背景と目的】
Rapid Response System(RRS)は、病院内の患者の状態悪化を早期に認知し、適切に対応することで予後改善を目指すシステムである。RRSは世界中で急速に普及しているが、日本の小児RRSの疫学情報は存在しない。日本小児RRSの実態を把握し、普及促進に向けた方策を考案することを目的とした。

【方法】
全国PICU34施設を対象にアンケート調査を施行

【結果】
回答率100%。回答施設の病床数 中央値495床(IQR277-795)、PICU病床数 8床(8-16)、総合病院53%、小児病院47%、RRS導入済み41%であった。
RRS未導入施設からは、RRS導入を希望55%、RRSの十分な知識あり30%、導入の障壁は人員・運営資金不足70%、RRS認知不足40%、主治医反発15%、上層部理解不足10%と回答を得た。
RRS運用実態は、チーム形態Medical Emergency Team71%、Rapid Response Team29%、チーム構成員の職種は、医師100%、看護師93%、その他コメディカル7%、所属診療科・部署は、集中治療86%、救急36%、麻酔29%、コアメンバー数6名(5-9)、専従有り21%、RRS業務は日常業務と兼務93%、RRS対応 24時間79%、平日日勤のみ21%であった。
活動記錄は、病院独自100%、RRSオンラインレジストリ29%であった。RRS導入、未導入施設の比較で病院規模に差は無かった。

【結論】
日本小児RRSの普及はまだ半数以下であり、未導入施設でRRSの知識も乏しく、導入希望は半数のみ、主な障壁は人員・資金不足であった。
RRS運用は多部署・多職種・対応時間限定など工夫が見られた。
普及促進には、RRSの教育・啓蒙とRRS運用の工夫を取り入れ、人員・資金不足を解決することが有効と考えられた。

【私見】
本研究は、本邦小児RRSの疫学を報告した貴重な論文です。
しかし、もっと驚くことは、実は昨年開催された、第27回小児集中治療ワークショップのシンポジウムの企画が発端になった論文ということです。
学会は参加して満足・発表して満足するものではなく、いかに臨床や基礎教育に還元する活動に繋げられるかが大切だと思います。
共著者は本邦京阪神の様々な病院の方々です。チームワークが存分に発揮された成果だと言えるでしょう。


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