【KCCC文献紹介 第158弾:PICUにおける気管吸引時の生理食塩水注入の有効性と安全性】

Jessica Schults, Marion L Mitchell, Marie Cooke, et al. Efficacy and Safety of Normal Saline Instillation and Paediatric Endotracheal Suction: An Integrative Review. Aust Crit Care 2018 Jan; 31 (1) : 3-9.

【Objective】
小児集中治療室での気管吸引時の生理食塩水トイレッティング(NSI)の有効性と安全性に関する研究結果を総合すること。

【Data sources】
Cochrane Library、PROSPERO、National Health Service Centre for Reviews and Dissemination、PubMed、Cumulative Index to Nursing and Allied Health(CINAHL)データベースを系統的に検索した。
検索語には、「吸引 気管支」、「吸引」、「塩化ナトリウム」、「生理食塩水」および「小児」を含んだ。追加の参考文献は、雑誌のリファレンスリストとGoogle Scholarのハンドサーチから入手した。

【Method】
統合的・体系的なアプローチを用いて、小児集中治療の実践の文脈で研究結果を質的に合成した。
データは標準化されたデータ抽出フォームを使用して抽出した。質の評価は、2人のレビュアーが独立して行った。

【Results】
3つの研究が定義された適格基準を満たしていた。
報告の質にはばらつきがあったが、3つの研究のうち、全てMixed Method アプローチが採用されており (Mixed Method Appraisal Tool: MMAT score=75%)、全体的にNSIと小児の気管吸引に関して検討した質の高いエビデンスは不足していた。
アウトカム指標には、SpO2、重篤な有害事象、換気パラメータを含んだ。
NSIを適用した気管吸引はSpO2の一過性の低下と関連していた。
研究プロトコルには、肺胞虚脱を軽減するための介入 (閉鎖吸引等) は含まれていなかった。

【Conclusion】
NSIは酸素飽和度の一過性の低下と関連していた。
粘稠な分泌物を有する小児では、NSIはポジティブな効果を持つ可能性はある。
分泌物の除去を有効化し、気管吸引 の負の生理学的相互作用を緩和する実践は、小児集団ではあまり評価されていない。
生理食塩水トイレッティングの安全性と有効性を検証し、臨床実践にむけた情報を提供するために、質の高いさらなる臨床試験が必要である。

【私見】
小児領域における、気管吸引時のトイレッティングに関するレビューです。
PICUでは、喀痰が粘稠な児に対し、生理食塩水によるトイレッティングが行われることがありますが、それは「危険」だという報告です。
当院でも過去には「生食トイレッティング」をルーチンで実施していましたが、「これって危ない行為なんじゃ無いのか?」という懸念がきっかけで、この報告が出る前には廃止していました。
論文は実践に還元すべきものであり、Evidence Based Practiceだけでは解決できない時に非常に有効です。そのためには、臨床疑問が生じた時に、どのように文献を検索するか、その文献をどのように仲間にプレゼンするか、などを検討する必要がありますね。

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