【KCCC文献紹介第162弾:ルーブリック評価表提示の効果】

鈴木雅之. ルーブリックの提示が学習者に及ぼす影響のメカニズムと具体的事例の効果の検討. 日本教育工学会論文誌 35(3),279−287, 2011.

【概要】

本研究では中学2年生を対象とした数学の実験授業を行い、テストの結果をフィードバックする際に、ルーブリックを提示することが学習者に与える影響について、その影響メカニズムと、ルーブリックの各評定値に該当する具体的事例を提示することの効果について検討した。

ルーブリックを提示された群は、提示されなかった群と比較して「改善(自身の理解状態を把握し学習改善に活用するためのものであるという認識)」というテスト観や、内発的動機づけが高く、理解を指向して授業を受ける傾向にあり、事後テストでも高い成績をおさめた。
また、ルーブリックが効果的に機能するのは、理解度確認や学習改善を目的にテストを実施することに納得するなど、インフォームドアセスメントが高い水準で達成されることが背景にあると示唆された。

さらに、本研究で用いたような数学の文章題では、具体的事例の効果がみられないことが示唆された。

【私見】

本研究は、中学2年生を対象とした数学の実験授業を行い、テストの結果をフィードバックする際にルーブリックを提示することが学習者に与える影響について、そのメカニズムと、ルーブリックの各評定値に該当する具体的事例を提示することの効果について検討されたものです。

ルーブリックを提示すると、評価基準と自己改善のための指針が明確になると推察されます。そのためには、なかなか馴染みのない考え方なので難しいかもしれませんが、テストは学習改善のための側面がある、と認知しておくことも重要だと言えますね。

そして、ルーブリックの記述だけで、十分な具体性を保持していると、具体的事例等の提示が不要ではないか、と考察でも述べられています。逆説的にとらえると、ルーブリックはそれくらい具体的でないと、補足記述は必須、ということです。

ルーブリック評価表の作成には多大な時間を要しますが、ルーブリックを作成することが目標ではありません。作成のための時間をいかに効率化し、ルーブリックを活用した上で、どのようにして学習効果を高められるのか、ということを考えなければいけないですね。

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