【KCCC文献紹介第169弾:小児ARDSにおける腹臥位の効果-無ランダム化比較試験-】

Effect of Prone Positioning on Clinical Outcomes in Children with Acute Lung Injury: A Randomized Controlled Trial JAMA. 2005 Jul 13; 294(2): 229–237.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1237036/#:~:text=Gattinoni%20and%20colleagues16%20showed,with%20severe%20acute%20lung%20injury.

【はじめに】

小児ARDSにおいて、腹臥位は安全であり、酸素化を改善させると考えられている。しかし、小児の臨床転帰に対する腹臥位の効果は不明である。

【目的】

28日後の時点で、腹臥位を行った小児ARDS症例は、仰臥位で治療した小児よりも非人工呼吸日数が多いという仮説を検証すること。

【デザイン】

仰臥位と腹臥位の多施設ランダム化比較試験。無作為化は厳密に隠蔽され、グループ割り付けは盲検化されなかった。

【対象患者と設定】

7つの小児集中治療室から、在胎週数42週以降から18歳までの小児患者102人を、ARDSの基準を満たしてから48時間以内に登録した。

【介入】

仰臥位に無作為に割り付けられた患者は仰臥位のままであった。腹臥位群に無作為に割り付けられた患者は、無作為化後4時間以内に体位変換し、ARDS急性期には毎日20時間、最大7日間腹臥位を維持した後、仰臥位に体位変換した。両群とも、肺保護換気と鎮静プロトコル、SAT/SBT、栄養・スキンケアのガイドラインを用いて管理された。

【主なアウトカム測定】

28日後の非人工呼吸日数。解析はintention-to-treatベースで実施された。

【結果】

この試験は、事前に指定された中止規則に基づき、予定された中間解析で中止された。非人工呼吸日数は両群間で差はなかった(仰臥位群15.8±8.5日 vs 腹臥位群15.6±8.6日、差-0.2日、95%信頼区間、-3.6~3.2、P=0.91)。

年齢、Pediatric Risk of Mortality III (PIMⅢ)スコア、ARDS発症原因、人工呼吸器モードを調整した後、非人工呼吸日数の差は0.3日であった(95%信頼区間、-3.0~3.5;P=0.87)。副次評価項目である、28日後の生存率と非人工呼吸日数、死亡率、ARDS回復までの期間、非臓器不全日数等に差はなかった。

【結論】

小児ARDS患者は、腹臥位にしても非人工呼吸期間やその他の臨床転帰は有意に改善されない。

【私見】

小児ARDSにおける腹臥位療法に関するRCTです。
本研究は、Pediatric Acute Lung Injury and Sepsis Investigators (PALISI) Networkと呼ばれる、北米の臨床研究グループに参加している7つの小児集中治療室の協働RCTとなっています。
研究知見そのものは大きなインパクトはないかもしれませんが、研究デザインの策定等、本邦の研究グループでも大変参考になる研究だと思います。
研究デザインの知見を深めるためにも、ぜひ一度ご一読ください。

Follow me!