<文献紹介第24弾>
「ゼロ点校正は腋窩中線の第4肋間でしなさい!」
意外と知らない循環ネタの第二弾です。
今回は「ゼロ点校正」についてです。
血圧やCVP、PAなどゼロ点校正は日常的に行われていることが多いでしょう。
ですが、「ゼロ点校正」と「高さの調整」を混同している人も少なくありません。
あなたが新人に教えている「ゼロ点校正」の方法はあっているでしょうか。。。
「ゼロ点」はそもそも何でしょうか?
一言でいうと、ゼロ点とは「基準」のことです。
測定したいものがあった時に、どこを基準にするのかでその差は大きく変わってきます。
なので、ゼロ点が違うと数値が大きく変わってきます。
では、モニターでポチッと押す「ゼロ点校正」は何と基準を合わせているのでしょうか?
それは、「大気圧」です。
圧トランスデュサーは圧を電気信号に変換する装置です。その基準を大気圧と合わせることで、圧が大気圧に比べてどれくらい高いかを測定して数値化しているのです。なので、右房の高さである、第4肋間腋窩中線で「ゼロ点校正」を押す必要もないのです。
えっ!?と思う方もいるかもしれませんが、そういう方は一度全く違う高さで「ゼロ点校正」をしてから測定したい部位の高さ(CVPなら右房の高さ:腋窩中線)に調整してもらったらわかると思います。それに、そもそも「ゼロ点校正」をする時、三方活栓の向きは患者側ではなく、大気に向いている(外気と接触している)はずです。なので、患者の要因はありません。
そして、測定したい部位の高さに合わせるのが、「高さの調整」です。
これも、 CVPを測定したいからといって、わざわざ第4肋間までトランスデューサーを持っていく必要はありません。
腋窩中線の高さにトランスデューサーがあればそれで十分です。
意外と知らないシリーズなので、当たり前だろう!と言われる方もいるかもしれませんが、意外と施設によっては「えっ!?そうなの?」と驚かれる施設もあります。事実、ネットや本では誤解されるように記載されているものが多いです。なので、誤解されている方のお役に少しでも立てればと思います。