<文献紹介 第56弾:進化したABCDEFバンドル>
「The ABCDEF Bundle: Science and Philosophy of How ICU Liberation Serves Patients and Families.」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28098628
クリティカルケア領域ではABCDEバンドルはご存知の方が多いかもしれません。
このケアバンドルは、2010年にVasilevskisらによって提言されたものです。
A:SAT/ Awakening(覚醒トライアル)
B:SBT/Breathing(自発呼吸トライアル)
C:Coordination SAT+SBT/ Coordination(AとBの調整/鎮痛鎮静剤の選択)
D:Delirium monitoring(せん妄評価・予防・治療)
E:Exercise/ Early mobility(早期離床)
これらのケアを合わせて取り組むことで生存率が高まり、人工呼吸期間短縮、ICU滞在期間短縮に効果があるとされています。
そして、ここにF(Family care)を追加することでトータルケアを行おうという狙いでした。
ですが、近年新たにABCDEFバンドルが進化しました。
内容は、
A:Assessment, prevention, manage Pain(疼痛評価・予防・管理)
B:Both SAT & SBT(AとBの調整)
C:Choice of Analgesia and Sedation(鎮痛鎮静剤の選択)
D:Delirium assesse, prevent and manage(せん妄評価・予防・治療)
E:Exercise/ Early mobility(早期離床)
F:Family Engagement and Empowerment(家族ケア)
これらのケアを合わせて取り組むことで、短期的なアウトカムを目指すだけでなく、長期的アウトカムの改善を目指すということが強調されています。
ですが、何が変わったのかって言われると、それほど変わっていないようにも見受けてしまいます。
「痛みの評価をもっとちゃんとしましょうね、ICU退院した後は家族の協力が必要になるからICUのうちから家族へのケアも行なっていこうね」というのが、筆者の勝手なイメージです。
2月の学会では、進化したABCDEFバンドルの話もされるかと思いますので、それまでには押さえておきたいワードですね。
これをどう活用していくのか、どのような効果があるのかはまた次回、、、。
画像引用元:
画像①:http://www.iculiberation.org/SiteCollectionDocuments/Bundles-ICU-Liberation-ABCDEF.pdf
画像②③:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28098628
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