【コラム46:先進国一、学ばない日本人!看護師も?!】
過激なタイトルですが、OECD(経済協力開発機構)のデータでは、日本の25歳以上の社会人の修士課程等への入学者割合は、他の先進国と比較するとかなり低いとのデータがあるそうです。
認定看護師は約2万人、専門看護師約2千人、その他の修士課程や博士課程に進まれていたり、学会認定の資格を取られたりする方も多くおり、看護師は勉強熱心というイメージもありますが、170万人近くいる就業しているといわれる看護師総数からすると「低い」と言わざるを得ない数です。
もちろん、学位をとることや資格を取ることだけが学びではありません。書籍や論文、セミナー、院内外活動からなど、学べる機会・リソースはあふれています。新人・若手看護師時代は、そういった機会やリソースから学ぶ姿を多く見受けますが、中堅・ベテラン看護師となると、どうでしょうか?経験年数を経れば経るほど、学習していないといった光景があるように思います。しかしこの現状を、中堅・ベテラン看護師のやる気のなさのせいだというのは違うと思います。年功序列、学習しても報酬や待遇という形でその見返りが期待しにくいという雇用システムが根強く、学習することに対する意欲が沸かないのは致し方ないことではないでしょうか。
また、院外での活動や学習をしていると、その余裕があるなら院内活動をもっとしろ、院内のことはしてないとレッテルを貼られるといったこともあるようです。日本の看護界は、生涯にわたって教育と就労を交互に行うことを勧める教育システム(リカレント教育)がまだまだ充実・整備しているとは言いがたい状況のようです。
とはいっても、制度が悪い、組織が悪いと嘆いているばかりでは生産的ではありません。誰かがやってくれるだろうでもなく、各々が当事者意識を持ち、同じような志を持つ仲間を見つけ前に進むんでいくことが求められる姿ではないでしょうか。
KCCCは、「生涯にわたる学び」やそれを支える「働き方」の実現への一助となるよう、今後も有用な情報の配信や学習の場の提供に努めていきたいと思います。
参考サイト
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/index01.htm
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/1268046.htm